千賀、侍ジャパン招集!金メダル切り札 稲葉監督がソフトB・工藤監督に状態確認「順調と言っていました」

[ 2021年7月2日 05:31 ]

ソフトバンク・千賀
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 東京五輪に出場する侍ジャパンがソフトバンクの千賀滉大投手(28)を追加招集する方針を固めたことが1日、分かった。巨人・中川皓太投手(27)が左肋骨骨折で辞退しており、代役が必要だった。千賀は4月に左足首のじん帯を損傷し、一時は五輪への出場が絶望的ともみられていたが、順調に回復。国際大会の経験が豊富で、先発はもちろん、抑えの経験もある頼もしい名刀が加わる。

 侍史上最高の切れ味を誇る名刀が、東京五輪のマウンドに向かう。稲葉監督はこの日、ペイペイドームでソフトバンク―西武戦を視察。6月29日の3軍練習試合で99球投げ、5回1/3を1失点だった千賀の状態を工藤監督ら首脳陣に確認した。

 「順調に来ていると言っていました。そんなに期限もないし、コーチと話して決めないといけない」。明言こそしなかったが、登板後も問題のないことを確認。コンディション面の不安がなくなれば、これほど頼れる切り札はいない。中川の負傷離脱で空いていた最後の1枠は、千賀を代替選手とする方針を固めた。現場に直接訪れていたこともあり、ソフトバンク側にも方針を伝えたとみられる。

 24人の内定選手を決めたのは6月上旬。その時点で千賀は実戦復帰しておらず、選出を見送らざるを得なかった。その後ファームで3度の実戦マウンドを踏み、次回は1軍登板へのゴーサインがチームから出された。「本人が大丈夫なら、僕らはゴー」と工藤監督。6日からのロッテ2連戦(ZOZOマリン)での先発が有力で、復帰は秒読み段階だ。

 6月29日の筑後での3軍戦を緊急視察した建山投手コーチは「一番の力を発揮してくれるのは先発だが、来てくれることがあれば、いろんなところをやってもらう」と先発はもちろん、抑えの経験もある千賀の起用法についても言及し、期待した。高い奪三振能力と国際大会への適性は大会タイ記録の16三振を積み上げ、日本からただ一人ポジション別優秀選手に選ばれた17年WBCで実証済みだ。

 エース候補の巨人・菅野は復帰した広島戦で2回1/3を4失点でKOされ、残り1カ月を切った五輪へ向けて不安を残した。そんな中で、頼もしい切り札の追加招集。6月29日には「もしそうなったら、しっかりやらないといけない。今持てるベストをしっかり出すのが絶対条件。そのためにいい準備をしないと」と話していた千賀。驚異の復活劇からの剛球、そしてお化けフォークで、日本を、世界を驚かせてみせる。

 【千賀の4月足首負傷からの道のり】
 ▼4月6日 日本ハム戦で今季初先発し、5回2/3を無失点で初勝利。だが6回に渡辺の打球が上半身を直撃。バランスを崩して左足をひねり、担架に乗せられて緊急降板した。同日夜の診断は「左足首の捻挫」。
 ▼9日 福岡県内の病院で再検査を受け「左足首のじん帯損傷」の診断。復帰まで2~3カ月。
 ▼6月12日 ファーム施設でシート打撃に登板。2カ月ぶりに打者相手に60球を投げ、安打性2本。最速156キロ。
 ▼17日 火の国サラマンダーズとの3軍戦で実戦復帰。4回を51球、3安打無失点、3奪三振。最速158キロ。
 ▼23日 ウエスタン・リーグの阪神戦で2回2/3、84球を投げて4安打2失点。最速158キロ。
 ▼29日 大分B―リングスとの3軍戦で5回1/3を4安打1失点(自責0)。最速156キロ。

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