エンゼルス・大谷 初体験の東地区マウンド きつい傾斜と硬い土に対応できず「上体が突っ込み気味」

[ 2021年7月2日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス11ー8ヤンキース ( 2021年6月30日    ニューヨーク )

<ヤンキース・エンゼルス>初回、大乱調でKOされ渋い顔の大谷(AP)
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 仲間に救われた。エンゼルスの大谷翔平投手(26)は30日(日本時間1日)、ヤンキース戦に「1番・投手」で出場。ヤンキースタジアム初先発は2/3回を2安打5四死球7失点で今季最短の降板と、ほろ苦い結果となった。しかし、チームは4―8の9回に一挙7得点。ここまで二刀流でチームを支えてきた大谷の黒星を消し、記録的な大逆転勝利を挙げた。

 度重なる降雨中断を挟み、終了は日付の変わった午前1時すぎ。大谷は熱のこもったハイタッチの輪に加わった。「(試合後は)今年一の盛り上がり。個人的には悔しく残念ですけど他の選手が頑張ってくれて(試合を)拾えた」。両リーグ単独トップ28本塁打の主砲が退いた打線で、ウォルシュが同点満塁弾を放つなど、9回に一挙7点。1900年以降、初回に7失点以上のチームが9回に7点以上を奪って逆転勝ちは史上初の快挙だ。

 大谷のヤンキースタジアム初登板。2本塁打した次の試合での先発は1930年以来、同球場で先発投手が1~5番に入ったのは33年以来で、いずれも当時はベーブ・ルースの先発だった。「(この球場での登板に)プレッシャーはなかった。野手で出ていたので」。しかし、歴史的快挙は初回で終わった。

 最速99.3マイル(約160キロ)ながら制球に苦しみ、先頭から3連続四球の後、甘いスライダーを2連続適時打された。4点を失い、なお2死満塁で降板。2番手投手が3点二塁打を浴びた。大谷は、開始時に気温33度だった暑さの影響を否定。「上体が突っ込み気味。引っ掛けた球も多くて、(マウンドの)傾斜に対応する前に、ああいうふうな形になった」と話した。渡米後、過去23度の先発で22試合は西地区の球場で1試合は中地区。東地区の球場はマウンドの傾斜がきつく土が硬い傾向にあり、初体験で対応しきれなかった。

 メジャー自己ワーストの7失点。打席は1度のみで、松井秀喜と並んでいた日本選手の月間最多13本塁打の更新も逃した。だが、今季は大谷に投打で「おんぶに抱っこ」のナインが奮起してくれた。

 1日(日本時間2日)に行われる予定だった4戦目は、悪天候の予報のため中止。振り替えの日程は8月16日(同17日)と発表された。30日の試合後に「やり返すチャンスがあると思うので、もう一回頑張りたいなと思う」と話していた大谷。聖地での雪辱を、1カ月半後に聖地で晴らす。(笹田 幸嗣通信員)

 《日本人先発登板14人目》旧、新球場を通じて日本選手のヤンキースタジアムでの先発は、大谷が14人目。最多は田中将大(現楽天)の88試合で、2番目に多いのが黒田博樹の51試合。

 《1イニング7失点は自己ワースト》大谷の1試合7失点はメジャー自己ワーストで、日本ハム時代には3度ある。1イニング7失点は自己ワースト記録。

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