自力V消滅 広島・佐々岡監督「受け止めて戦っていく」菅野攻略も若手グダグダ投壊、守乱、走塁ミス

[ 2021年7月2日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4ー10巨人 ( 2021年7月1日    東京D )

<巨・広>4回途中降板する広島・高橋昂(撮影・島崎忠彦)
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 広島は1日の巨人戦で逆転負けし、自力優勝の可能性が早々と初消滅した。鈴木誠がバックスクリーンへ11号2ランを放つなど、打線は菅野を3回途中KOに追い込んだものの、先発の高橋昂が粘り切れず4回途中6失点で4敗目。厳しい現実に佐々岡監督は「受け止めて、僕らは前を向いて戦っていくしかない」と声を振り絞った。

 序盤3回までに幸先よく4点を奪い、難敵・菅野をマウンドから引きずり降ろしたというのに、終わってみれば今季7度目の2桁10失点大敗。先発の役割を果たせず4回途中6失点降板し、4敗目を喫した高橋昂は「先に援護してもらったのに、守り切ることができなくて悔しいです」と唇をかみしめた。

 佐々岡監督が「制球はアバウトでも1、2回は球威があったし、力感もあった」と言う通り、立ち上がりから直球で差し込み、空振りを奪っていた。ところが4点優勢の3回。無死一塁で、松原に甘く入った直球を右中間へ2ラン被弾したあたりから、雲行きは徐々に怪しくなる。

 「今日は腕を振りすぎて、制球できなかった。逆球も多かったし、力感なく、制球よく強い球を投げるという持ち味を出せませんでした…」

 高橋昂が反省した通り、4回には坂本、中島にやらずもがなの連続四球。動揺は隠せず、北村と代打・広岡に連続適時二塁打を浴びて逆転を許し、送りバントで1死三塁となったところで、交代を命じられた。首脳陣は2番手に島内を投入。直後に、しかし、痛いミスが起きてしまう。

 松原の一ゴロを、前進処理した坂倉が本塁送球。これがワンバウンドとなって磯村がはじきスタートを切っていた三走・広岡が生還(記録は野選)、ウィーラーには2ランを被弾した。ミスは連鎖し、5回の先頭で中前打を放った小園がけん制死。鈴木誠に打順が回り、じっくり攻めたい場面だっただけに痛恨だ。

 「昂也は4回、急にね。(連続四球の)あの入りは首をかしげたくなる。サク(坂倉)は(不慣れな)一塁で頑張ってくれているんだけど、あそこはしっかり投げてほしかった。小園は状況や場面を考えないといけない」

 菅野攻略が一転、大敗を喫した指揮官の口調は重い。対象の巨人に敗れたことで、71試合目にして早々と自力Vの可能性が初消滅したことには「受け止めて、僕らは前を向いて戦っていくしかない。一つずつ借金を返していくしかない」と声を振り絞った。

 将来有望な若い力が台頭する一方で、ミスや無駄な失点も散見する現状。我慢の時か。(江尾 卓也)

 《残り72試合で…》広島は巨人に敗れ、自力優勝の可能性が消滅した。残り72試合に全勝しても95勝39敗9分けの勝率・709。この場合、巨人は広島との残り11試合に全敗となるが、他カードの合計57試合に全勝すれば96勝37敗10分けの勝率・722となり広島を上回るため。

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