秋田北鷹の「魔術師」相馬 快速右腕の明桜・風間より40キロ遅い直球で完封

[ 2021年5月30日 23:12 ]

春季高校野球秋田県大会 2回戦   秋田北鷹1―0由利工 ( 2021年5月30日    グリーンスタジアムよこて )

完封勝利を挙げた秋田北鷹・相馬
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 創立11年目の県立校・秋田北鷹は今春の地区大会で初優勝を果たし、県大会でも勢いそのままに昨秋の東北大会に出場した由利工を撃破した。 

 秋田北鷹は0―0で迎えた6回に9番・羽沢優輝主将(3年)が二塁手の失策で出塁。けん制悪送球で三塁を狙うと、さらに悪送球が重なり、一気にホームインして決勝点を奪った。

 先発した右腕の相馬大地(2年)は5安打完封勝利を挙げ、木藤大嗣監督は「緊迫したゲームで相馬がしっかり投げてくれた。良いゲームだった」と振り返った。

 身長1メートル70の相馬は快速球や切れ味鋭い変化球は持たないが、110キロ台の直球に緩いカーブなどの変化球で緩急をつける頭脳的な投球で0を並べ「ピンチでも仲間を信じて投げることができた」と笑顔を見せた。

 昨秋までは常に力投するスタイルだったが、現役時代に投手だった指揮官のアドバイスで変則投法を身につけた。冬の期間に同じ直球、変化球でも球速を変えることで、打者を幻惑する投球を磨き「1つの球種でも2種類になる。配球を信じているので(遅い球を投げる)怖さはない」と胸を張る。

 同会場では直前の試合でノースアジア大明桜の最速153キロ右腕・風間球打(3年)が149キロを投じて7連続三振を奪う力投を見せたが、相馬は約40キロも遅い直球を軸に快投を披露した。

 「打ち取ってテンポをつくるのが、自分たちの野球」。対照的なスタイルの両投手。同じマウンドで投げ合う姿を見てみたい。(柳内 遼平)

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2021年5月30日のニュース