大谷あわや乱闘…攻めた内角球に「カモン、ショー!」7回途中3失点で今季初黒星

[ 2021年5月30日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1ー3アスレチックス ( 2021年5月28日    オークランド )

〈アスレチックス・エンゼルス〉3回、大谷(左端)のキャンハの顔付近への投球で、ベンチから飛び出した両軍(共同)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が28日(日本時間29日)、アスレチックス戦で6回0/3を3安打3失点の粘投。リアル二刀流ではなく投手専念だったため、迫力を欠いた打線からの援護がなく今季初黒星を喫した。3回には自身が投じた内角球を発端とした初の乱闘騒動も経験。球速低下が懸念されていた直球は最速97・9マイル(約158キロ)を計測するなど球威は復活した。

 大谷には投打の二刀流選手として強い思いがある。どちらも全力を尽くし、勝利に貢献することだ。この日は投手に専念。その3回無死で93マイル(約150キロ)の直球がキャンハの顔面付近を通過した。のけ反った相手が「カモン、ショー!」と激高。捕手スズキが応戦した。ベンチから両軍が飛び出す。一触即発の雰囲気になった。

 「もちろん当てるつもりはない。いい打者は特に厳しいところにいかないと抑えられない」

 大谷は右手で熱くなるナインを制し、左胸を2度叩いてキャンハに「謝罪」の意思を表示。相手にも伝わった。最後はこの日最速97・9マイル(約158キロ)の直球で空振り三振。その後も冷静に後続を抑えた。チームの勝利のため、厳しいコースを突く姿勢はぶれない。6回のキャンハとの再戦では背中に死球。敵地のスタンドから大ブーイングを浴びたが、当然、この投球も故意ではない。両者はお互いに右手で「和解」の合図を送り合った。

 同点の7回に連続四球から安打と失策が絡み決勝点を許し降板。打線の援護なく負け投手となったが最速95・3マイル(約153キロ)にとどまった前回登板の不安を吹き飛ばす内容だ。「投げ心地自体は前回より良かったかな、という感じはしました」と手応えを語る。

 ジョー・マドン監督は指名打者制がない次カードの敵地ジャイアンツ2連戦で大谷の外野での先発起用は否定も、代打から守備に就くのは「不可能ではない」と語った。事故渋滞の影響で先発回避した前日からのスライド登板で好投。大谷は投打で不可欠な存在だ。

 ≪電車乗客の反応は「何もなかった」≫大谷は27日に事故渋滞で動かなくなったチームバスからBART(ベイエリア高速鉄道)に乗り換えて球場入りしたことについて「1時間、全然動かなかった。どうしようもなかった」と説明。乗客の反応については「何もなかった。“アジア人が乗ってきた”くらいの感じ」と振り返った。ともに行動していたスズキは「僕らは違う電車に乗ってしまった。どこで乗って、降りたらいいのか分からず」と混乱の様子を明かした。

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