大砲候補の広島・林 待望1号 コロナで離脱中…同期小園に「負けない」 強風ZOZOの右中間へズドン

[ 2021年5月30日 05:30 ]

交流戦   広島3ー7ロッテ ( 2021年5月29日    ZOZOマリン )

<ロ・広(2)>2回2死、右越えに先制ソロを放つ林(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 広島期待の大砲候補、林晃汰内野手(20)に待望の一発が生まれた。29日のロッテ戦で2回に先制のプロ1号。美馬のカットボールを右中間へ運んだ。先発・玉村ら投手陣が与えた12四死球が響いて3―7で敗れたものの、確実に成長の跡を示す林ら若ゴイの奮闘は今後への光明だ。 

 打球は海風にも乗ってZOZOマリンスタジアムの右中間へ吸い込まれた。高校通算49発を誇る期待の大砲候補・林が記念すべきプロ1号。2回2死で1ボールから美馬の内寄りカットボールを積極的に強く振り抜いた。

 「(狙い球は)変化球をメインに、直球はファウルというイメージ。詰まったけど、風もあって(入った)。うれしいです」

 スタメン出場は「感染拡大防止特例2021」代替選手として今季初昇格し、通算10打席目にプロ初適時打、初打点をマークした18日の巨人戦以来、通算3度目。通算13打席目に鮮やかな初アーチを描き、「8番・三塁」での起用に応えた。

 高卒3年目。今春は1軍キャンプに初めて抜てきされ、数多く打席に立つなど英才教育を受けてきた。結果を残せず開幕前に降格となったものの、2軍でグリップ位置を下げるフォーム改造に着手。スイング速度や確実性に磨きをかけてきた。

 「(グリップを下げたのは)シンプルにバットを出すために。東出さん(2軍打撃コーチ)とやってきて、いろんなことを教わりました。“打てなくても内容のある打席を増やしていけばいい”と」

 林は、5回にも1ボールからの外角直球をライナーで左前へ。昇格後は出場3試合で8打数5安打、打率・625と打ちまくる。佐々岡監督は「風があったかもしれないけど、(本塁打は)右中間の広いところ。強さが出てきているし、楽しみよね」と目を細めた。

 技術を磨く一方で、羽月からは1軍情報を収集する。「対戦相手のことや、打席にどう入っているかを聞きました」。羽月と小園の同期2人は、不運にも新型コロナ感染で離脱中。この機会に差を詰め、追い越したい。

 「負けないように…と思っています。自分のスイングが(常に)しっかりできるようにしていきたいです」

 敗戦の中で光を放った20歳。近未来にもっと、まばゆく輝く。(江尾 卓也)

 <林 晃汰アラカルト>

 ☆生まれ&サイズ 2000年(平12)11月16日生まれ、和歌山県出身の20歳。身長1メートル82、99キロ。右投げ左打ち。

 ☆球歴 小1から岩出ヤンキースで野球を始めて捕手。中学時代は紀州ボーイズに所属。智弁和歌山では1年春から正三塁手を務めた。2年夏、3年春夏に甲子園出場し、3年春は準優勝。高校通算49本塁打。18年ドラフト3位。

 ☆畑作業 実家はキンギョソウの栽培や卸を扱う花農家。重い花束を運ぶうちに自然と屈強な下半身ができあがった。

 ☆趣味 無類のディズニー好き。中でもお気に入りが映画「アラジン」で、挿入曲「フレンド・ライク・ミー」を昨季の自身の登場曲に選んだ。

続きを表示

この記事のフォト

2021年5月30日のニュース