JR九州、2大会連続全国切符 野中監督「1年間、試合に出られず苦しかっただろう」

[ 2021年5月30日 09:03 ]

スポニチ後援・社会人野球日本選手権九州地区予選第4日 ( 2021年5月29日    リブワーク藤崎台 )

<JABA社会人野球日本選手権九州予選 JR九州・西部ガス>第1代表決定戦で西部ガスを下したJR九州。好投の井上(中央)を抱き上げて喜ぶ
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 第1代表決定戦が行われ、JR九州が西部ガスを6―1で破り、2019年から2大会連続(20年は中止)15回目の日本選手権(6~7月、京セラドーム大阪ほか)出場を決めた。JR九州は3回からロングリリーフした9年目左腕、井上翔夢(30)が1失点無四球の好投で勝利を引き寄せた。敗れた西部ガスは30日、九州三菱自動車と第2代表の座を争う。

 2年分の思いをぶつけた。最後の打者を三ゴロに打ち取った井上目がけてナインは猛ダッシュ。マウンドで歓喜の輪が躍った。昨年は各JABA大会と日本選手権が中止され、さらにJR九州は従業員と乗客へのコロナ感染リスクを考慮して都市対抗予選を辞退。公式戦出場をすべて自粛した。練習だけを行う日々を過ごしたが、野中憲二監督は「1年間、試合に出たいのに出られず苦しかっただろう。それを乗り越えた選手をほめたい」と声を詰まらせながらたたえた。

 今大会は昨年入社し試合のない1年を過ごした鷲崎、川島、足立ら2年目の投手陣が好投。この日、先発した足立は「大きな目標がなかったので逆にタイヤ引きやダッシュなど普段できない体づくりができた」と前向きな気持ちで過ごしたという。「正直、モチベーションがなくなりしんどかった」と振り返るベテラン、井上は3回から救援。バットの芯を外し、内野ゴロとフライを打たせて7回を4安打。無四球の投球で昨年の経験をムダにしなかった。打線も10安打で先制・中押し・ダメ押しの理想的な得点を重ねた。

 「選手の心のつながりが得点に表れた。2年ぶりの全国大会ではしっかりウチの野球をお見せしたい」と指揮官。苦境を乗り切ったナインは心をひとつに晴れ舞台で暴れる。

 <九州三菱自動車>大会初の無失点勝利で第2代表決定戦に進んだ。「これまで3試合は新人が先発してくれたので自分が投げて休ませようと思った」。初先発の3年目、笹渕が6回を抑え、7回からは4投手をつぎ込み日本製鉄大分を封じ込んだ。重石勝司監督は「こちらは挑戦者。勝って決定戦に臨める強みを生かしたい」と7大会ぶりの日本選手権出場に意気込んだ。

 ▼西部ガス・香田誉士史監督 初回の満塁機を逃して流れが悪くなり、やりたいことがやれなかった。次に気持ちを切り替える。

 (第4日の成績)
 ▽第1代表決定戦
JR九州6―1西部ガス
 ▽敗者復活戦
九州三菱自動車6―0日本製鉄大分

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2021年5月30日のニュース