斎藤隆氏「難しい球場で好投も課題はスタミナ」二刀流の影響なのかもしれない

[ 2021年5月30日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1ー3アスレチックス ( 2021年5月28日    オークランド )

7回途中3失点で今季初黒星の大谷(AP)
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 【斎藤隆の目】オークランド・コロシアムはビジターの投手には難しい球場だ。ナイターは海から抜けてくる風が冷たく、試合開始時の気温は16度だったが、体感は5、6度低い。大谷も初回から何度も指に息を吹きかけていた。フットボールとの兼用なので、ネット裏まで距離があり、捕手が遠く感じる。そんな中で6回までは1失点にまとめたことは評価できる。

 初回の途中から、スライドステップ(クイックモーション)に修正。動きは小さくなったが、フォームに力感はあった。外野飛球は7つ。危ないように見えた打球もフェンスを越えなかったのは、球速が150キロ台前半でもしっかり差し込んでいたから。湿った海風の影響で打球が飛ばない球場の特性を生かした投球でもあった。

 前回心配された直球の球速低下だが、97・9マイルが出ていたので、問題ないだろう。三振をバッタバッタ取るのも魅力的だが、ゲームをつくるというのは投手が一番身につけたい能力。こういう投球もできるということを証明した。

 課題はスタミナ。7回先頭からの連続四球は明らかにバランスが崩れていた。下半身に疲れがたまり、右足のためや蹴りが弱くなると、上半身とのタイミングが合わなくなる。それは打者としても出場している二刀流の影響なのかもしれない。(元パドレス球団アドバイザー)

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2021年5月30日のニュース