2試合連続引き分けの楽天 石井監督「今後を見据えて」骨太な布陣への継投

[ 2021年4月10日 20:01 ]

パ・リーグ   楽天8―8ソフトバンク ( 2021年4月10日    楽天生命パーク )

<楽・ソ>7回、同点に追いつかれた石井GM兼監督(左は渡辺佑) =撮影・白鳥 佳樹=
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 7点差をついに逆転し、1点リードで迎えた7回。石井監督が送ったのは大卒2年目右腕の津留崎だった。2死二塁となり、左の中村晃に対し左の渡辺佑にスイッチ。左前適時打を許して同点に追い付かれた。

 9回打ち切り、という特例を加味しても、勝ちパターンで逃げ切りをはかる場面。本来ならば牧田、酒居とつなぎ、守護神・松井へというところ。石井監督ならではの狙いが見えた継投だった。

 「正直、全面的に信頼して出しているわけではなくて。彼らが飛躍することがチームの底力、強いリリーフ陣の構築になってくる。今後を見据えて、というのもあります」

 先発がそろい、打線も好調なチームで、最大の課題は救援陣。実績のない若い2投手が、覇者ソフトバンク相手に1点リードの終盤のマウンドを経験した。渡辺佑には「カウント1―2から勝負する必要はなかった。次の打者は右(真砂)だが、そこでもいい」と注文も忘れず。育成契約も経験した横手左腕には、打者の右左関係なく抑えられると期待は高い。「もう少し勉強すれば彼のこれからに役立つ。(継投が)決まったパターンしかないのはベストな選択ではない」と骨太な布陣を求めている。

 同点の8回は宋家豪(ソン・チャーホウ)に託し、1死二塁のピンチを招いたが無失点でしのいでみせた。

 前日は野手全員を使い切るなど、2日続けて「9月の野球」のようにベンチ総動員のソフトバンクとは対照的なベンチワーク。8―7逆転のルーズヴェルトゲームは完結しなかったが、敗れもしなかった。石井監督のタクトは「1勝」ではなく、目指す「優勝」を指し示していた。

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