イチロー氏「またどこかで会おう」 指導受けた日本ハム・ドラ4の細川は大感激 中谷監督も「夢のよう」

[ 2020年12月4日 18:37 ]

<イチロー氏智弁和歌山指導>智弁和歌山の指導を終え、花束を手に引き揚げるイチローさん。左は中谷仁監督(代表撮影)
Photo By 代表撮影

 昨年3月に現役を引退したイチロー氏(47=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が4日、甲子園で春1度、夏2度の優勝を誇る高校野球の強豪校・智弁和歌山で、選手指導を行った。指導は2日から始まり、3日目となったこの日で今回の指導は終了。今後については現状未定だ。

 濃密な3日間を振り返った同校の中谷仁監督(41)は「僕自身にとっても夢のような時間」と率直な思いを口にした。実際にプレーしながら指導してくれたイチロー氏に対して「本当に信じられない。プロ野球選手でも聞いてみたいという選手がいっぱいいる中で、うちのグラウンドに来ていただいて、やっていただくのは夢のよう。智弁和歌山の監督をさせてもらっている立場として、これでまたさらに負けられない。心地良い圧がかかっています」と笑いながらも感謝した。

 また、フリー打撃で2人一組になって交互に打った細川凌平内野手(18)は、幼少期から大ファンだったと明かし、「まさか、そのイチローさんと会えて、指導受けられるとは思っていなかった」と、夢見心地で振り返った。今秋のドラフト会議で日本ハムから4位指名されたプロ選手ながら「緊張はもちろんありましたけど、こんな時間はあるかないか分からないので、この3日間で聞けることは全て聞こうと思って、質問しました」と積極的に指導を受けた。練習中に、イチロー氏のバットを借用し「打ってみたら、と言っていただいて、それで使わせていただいた。今までのバットで一番、感触が良かったです」と感激。練習後に見送る際には「また、どこかで会おう」と声を掛けられ、さらに感激していた。

 今回の指導は、イチロー氏が一昨年の秋、智弁和歌山の試合を観戦し、熱心な応援に感銘を受けたことから、学校側と交流が始まったことがきっかけ。学生野球の指導には、原則としてプロ球団を退団する必要がある。だが、イチロー氏の野球界への功績の大きさや、アマ選手の獲得に携わる立場でないことを踏まえ、日本学生野球協会は特例を容認した。イチロー氏は昨年12月に学生野球資格回復制度の研修会を受講し、今年2月に資格を回復。マリナーズでの活動がないオフシーズンに限り、高校生や大学生への指導が可能となっていた。

続きを表示

この記事のフォト

2020年12月4日のニュース