智弁和歌山で指導者デビューのイチロー氏「伝えられること3日間で伝えた。期待しています」

[ 2020年12月4日 17:42 ]

<イチロー氏智弁和歌山指導>智弁和歌山の選手を前に打撃を披露し、笑顔を見せるイチローさん(代表撮影)
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 昨年3月に現役を引退したイチロー氏(47=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が4日、甲子園で春1度、夏2度の優勝を誇る高校野球の強豪校・智弁和歌山で、選手指導を行った。指導は2日から始まり、3日目となったこの日で今回の指導は終了。今後については現状未定だ。

 濃密な3日間となった。初日となった2日は、イチロー氏からあえて声をかけず、選手を観察。いかに指導すべきか、じっくりと見極める日となった。2日目からは実際に指導を開始。さらに3日目となったこの日は、選手たちの前で走塁の技術指導を行い、スタートの切り方、帰塁、心構え、など技術論、精神論を細かく伝えた。さらに、今秋のドラフト会議で、日本ハムから4位で指名された細川凌平内野手(18)と、2人一組になってフリー打撃を交互に実演。日米通算4367安打を放った打撃を披露し、何度も飛び出す場外弾に、選手たちからは「えぐい」との声も出た。

 指導が終わると、選手たちからイチロー氏に花束を贈呈。イチロー氏は「とにかく、僕が伝えられることはこの3日間で伝えたので。期待しています。頑張って」と声をかけた。

 今回の指導は、イチロー氏が一昨年の秋、智弁和歌山の試合を観戦し、熱心な応援に感銘を受けたことから、学校側と交流が始まったのがきっかけ。学生野球の指導には、原則としてプロ球団を退団する必要がある。だが、イチロー氏の野球界への功績の大きさや、アマ選手の獲得に携わる立場でないことを踏まえ、日本学生野球協会は特例を容認した。イチロー氏は昨年12月に学生野球資格回復制度の研修会を受講し、今年2月に資格を回復。マリナーズでの活動がないオフシーズンに限り、高校生や大学生への指導が可能となっていた。

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