オリックス 育成6位で古長を指名した3つの理由 「苦労人、岩村監督、ポテンシャル」

[ 2020年12月4日 05:30 ]

オリックスから育成6位で指名された古長
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 BCリーグ・福島レッドホープスからNPB入り第1号となった古長拓内野手(26)。加入2年目の今季は途中出場が多く、9安打で打率・155、2打点と決して成績は良くなかった。それでも10月のドラフト会議ではオリックスから育成6位で指名を受けた。ドラフト直後は「自分でも分からない」と漏らした指名だったが、主に3つの理由があった。

 まずは、オリックスの牧田勝吾編成部副部長(46)が、自身の現役時代と古長の姿を重ねたことだ。27歳でオリックスから指名を受けた牧田氏は、NPB入り後も「代打ばかりだった。監督も7年間で7人代わった」と振り返る。だが苦悩の中で、プロ野球選手は技術以外の何かが必要なことを学び、スカウトとして「苦労した選手がいると、若い選手の刺激になる」との信念を持った。「ドラ1でも3年で戦力外になる世界。答えはないのでほしい選手を取った」。出場機会は少なくともベンチで声をからす、26歳の古長が必要だった。

 また、オリックスは岩村明憲監督(41)が指揮を執るレッドホープスにかねてから注目していた。モチベーションの維持が難しい独立リーグでも、指揮官は厳しい練習と言動で選手を鍛え上げてきた。高校野球のような泥くさい野球が根付くチームの中で、古長は練習方法の価値観の違いなどで岩村監督に意見をぶつける強い意志を持っていた。牧田氏は「前から岩村監督のチームから選手を獲得しようと思っていた」とも語った。

 もちろん、古長のポテンシャルにも魅力があった。内野ならどこでも守ることができ、特に打撃に可能性を秘めていた。牧田氏は「ヘッドの使い方が良いんです。打席での集中力もある」と評価する。昨季は開幕4番を務めていた古長も、「チャンスでの打撃に自信がある。そこを自分のカラーにしたい」と勝負強さを売り込む。

 いわき市の出身だが高校から九州に渡り、大学までプレーした。オフは大学の先輩との縁で今宮健太内野手(29)らソフトバンクの選手と一緒に自主練習をする。相手の懐に入っていく世渡り上手なところもNPB向きだ。1メートル64の小さな体に宿す、チャレンジャー精神と向上心。古長が持つ全ての魅力を発揮して厳しい世界で生き残り、“サプライズ指名”は正しかったと証明してほしい。(近藤 大暉)

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