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ジェイプロジェクト 苦難乗り越え劇勝、コロナ禍が飲食業直撃 企業トップの熱い言葉に奮起

[ 2020年9月15日 17:53 ]

第91回都市対抗野球大会 東海地区2次予選   ジェイプロジェクト4―3三菱自動車岡崎 ( 2020年9月15日    岡崎市民 )

<ジェイプロジェクト・三菱自動車岡崎>サヨナラ勝ちに沸く、ジェイプロジェクトナイン
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 数々の苦難を乗り越えつかんだ劇的勝利だった。ジェイプロジェクトは1―3の7回に同点に追いつくと、9回2死一、二塁、7番・橋本恭太朗外野手(25=九州共立大)が左翼左にサヨナラ打。大石大二郎監督の退任を受け、今年7月から復帰した辻本弘樹監督(50)は「コロナの影響で3カ月、練習ができていない。9回を一生懸命、戦ってくれればいいと思っていたが…。選手達の勝ちたい気持ちが表れた」と感無量だった。

 日本野球連盟に登録している企業チームとしては唯一、飲食業が主事業。新型コロナウイルス感染拡大の影響は事業を直撃した。4月に発出された政府の緊急事態宣言を受け、65業態141店舗のうち、直営132店舗が完全休業となり、専用練習場を持たない野球部も4月から3カ月間、活動を休止。部員は全員が社員として、店舗でのホール、バーテンダーなどに従事するため、野球も仕事もできなくなった。主将の片岡新之助内野手(24=中部大)も「会社のことが心配で…。野球部が再開できるか、不安しかなかった」と振り返る。社内には徐々に動揺が広がっていった。

 苦しい状況に追い込まれた。だがカリスマの心の軸はぶれなかった。平素から「企業スポーツは心の社旗」を公言する新田治郎代表取締役は活動再開を前にした6月中旬、社内に部員全員を集めて言い渡した。

 「野球をやるぞ。こういう時だからこそ、野球をやってもらう」

 活動停止後の4月下旬には部員に牛肉30キロを差し入れ。全社員に対して給与面の保障など今後の見通しを動画で配信するなど、普段からコミュニケーションを欠かさないトップ。熱い言葉に主将は奮い立った。

 「会社のために野球をやりたいという気持ちが強くなった」

 片岡の務める名古屋市内中心部の店舗は時短営業、団体客の予約もゼロに等しい状況が続いている。それでもやれることをやる。その一つが野球で社を、社員を元気付けることだった。

 代表取締役はスタンドで観戦。勝利を見届けると人目もはばからず、男泣きにむせんだという。企業トップも含めた全員野球で昨年日本選手権4強の強豪に競り勝った。主将は「第1代表が目標ですが、とにかくみんなで大会に出たい」と力を込める。8年ぶり2度目の都市対抗大会出場へ。危機を乗り越え、結束力を増したチームが進撃する。

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