来春センバツ、球数制限導入へ 1試合ではなく一定期間の総球数対象 有識者会議で満場一致

[ 2019年6月8日 05:30 ]

日本高野連「投手の障害予防に関する有識者会議」
Photo By スポニチ

 日本高野連が設けた「投手の障害予防に関する有識者会議」の第2回会合が7日、都内で行われ、一定の日数の中で投球数を制限することを答申に盛り込むことを決めた。全国大会のみを対象とし、具体的な日数や制限数などについては、9月20日に行われる第3回会合で検討する。早ければ来春センバツから投球制限が導入される見通しだ。

 約2時間にわたる検討と議論の末、甲子園での投球制限導入へ大きな一歩を踏み出した。座長の中島隆信・慶大教授は「一定の期間を設けて投球数に制限を設ける方が(投手を)大切に育てようという方向に向かうのではないか」とし、全国大会のみを対象とした球数制限を答申に盛り込むことを決めた。

 昨夏甲子園で準優勝した金足農の吉田輝星投手が1回戦から決勝までの6試合で計881球を投じて投球過多が問題視され、昨年末には新潟県高野連が球数制限導入を表明したことを踏まえて発足した会議。2回目で早くも方向性が打ち出された。この日は日本高野連医科学委員で整形外科医の正富隆氏が球児の実態調査などのデータを基に目安の投球数を提言。球数制限が障害予防につながるとの認識で一致した。中島教授は「一定期間の中での投球数に関しては反対意見は出なかった」とした。

 日程が過密になる大会終盤の3回戦以降1週間などの一定日数内で300~400球などの制限案が出たもようだ。1試合での投球制限は試合運営に関して制約がかかることなどの理由で答申に盛り込まないことが決まった。委員を務める新潟県高野連の富樫信浩会長は「大きな一歩。前向きな方向性が出て感謝している」と話した。また副座長の川村卓・筑波大野球部監督は「複数投手を育てようという現場の意識が変わることに期待したい」とした。
 
 今後は各都道府県高野連にアンケートを実施。回答を集約した上で具体的な日数や制限数などについては9月20日に行われる第3回会合で検討する。最終回となる11月の第4回会合で結論をまとめ、同29日に行われる日本高野連理事会へ答申として提出。日本高野連は答申を基に議論を進め早ければ来春センバツで導入されることになりそうだ。

続きを表示

この記事のフォト

2019年6月8日のニュース