楽天ドラ6渡辺佳、初打点&初猛打賞 祖父・元智氏も感激「大きな力になったでしょう」

[ 2019年6月6日 05:30 ]

交流戦   楽天4―2巨人 ( 2019年6月5日    楽天生命パーク )

2回2死二塁、田口(左)から先制の左前適時打を放つ渡辺佳(撮影・木村 揚輔)
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 楽天のドラフト6位・渡辺佳明内野手(22)が5日、巨人戦に「7番・左翼」で先発出場し、2回に左前へ先制打を放った。プロ初の打点を記録し、猛打賞も初めて記録。前横浜高監督の名将・渡辺元智氏(74)の孫。明大時代の4年秋に東京六大学リーグで首位打者に輝いた打撃力を発揮した。新人が交流戦初勝利に貢献しチームはリーグ30勝一番乗りで首位を堅守した。

 初めて味わう快感だった。2回2死二塁。渡辺佳は田口の外角直球を左前に運んだ。プロ初の適時打で先制点を叩き出し、打点もプロ初だ。一塁ベース上からベンチに向かって、会心の「バーンポーズ」が飛び出した。

 「昨日は負けていたので初打点よりも、先制打が打てたことの方がうれしかった。これで乗っていけるなと思った」。逆方向を意識し、逆らわずに、コンパクトに打ち返す打撃技術。4回にも技術の高さを見せつける。追い込まれてから見逃せばボール球の低めのチェンジアップにうまくバットを合わせ、左手一本で中前に運んだ。7回にも左前打でプロ初の猛打賞をマークすると、2―2の8回には1死一、二塁で四球を選び、続く同期・辰己の勝ち越しの押し出し死球につないだ。

 左打者は1軍では左腕と初対決。田口は2度2桁勝利を挙げている好投手だが「大学時代から左投手は得意」と胸を張る。渡辺佳の能力を高く評価している平石監督も「バットが体から離れないで出てくる。タイミングの取り方も一つじゃない。全ての打席に内容があった」と絶賛した。

 5月19日に1軍に初昇格。祖父で横浜高前監督の渡辺元智氏からは「これから結果を出して1軍に食らいついていけ」との言葉をかけられた。その祖父からは高校進学時も明大進学時も「無理だ」と言われたが「トライさせてくれ」と言い続けた。祖父の指導に努力と諦めない根性。プロ入りまでたどり着いた。5月23日の日本ハム戦で放ったプロ初安打の記念球は、渡辺氏が観戦予定の21日からのDeNA戦(横浜)で直接手渡すつもりだ。

 プロ入り初のお立ち台は、同じ大卒でプライベートでも仲の良い辰己と一緒だった。「気持ちよかった。初めてのお立ち台が辰己と一緒でうれしかった」。内野手登録だが、外野もこなして出場機会を増やしている22歳。辰己と切磋琢磨(せっさたくま)しながら成長中の若い力が、首位を走る平石楽天の原動力になっている。 (重光 晋太郎)

▼渡辺元智氏 巨人戦でこれだけ打てたのは本人にとっても大きな力になったでしょうね。周りには遠くに飛ばす打者が多いが、自分のスタンスを変えなかったのが良かったんでしょう。

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2019年6月6日のニュース