阪神・矢野監督、最後のサインは“当たりゴー” 植田をかばう「俺がそういうサインを出した」

[ 2019年6月6日 06:02 ]

交流戦   阪神3―4ロッテ ( 2019年6月5日    ZOZOマリン )

植田(中央左)を出迎える矢野監督(右)(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 阪神は5日のロッテ戦に競り負け、今季最多を更新する貯金7に届かなかった。1点を追う9回1死三塁からの左飛に三塁走者が戻れずに併殺で終了。矢野燿大監督(50)はバットが投球に当たれば走る“当たりゴー”の指示だったことを示唆し、最後まで攻め抜いた野球に確かな手応えをにじませた。

 虎党の大歓声が一瞬にして深いため息に変わった。1点を追う9回1死三塁。高山が益田の148キロの直球を捉えた一打が左前へ。清田に横っ跳びで好捕され、同点の本塁へ向かって走っていた三塁走者・植田は戻れなかった。併殺での試合終了。決して走塁ミスなどではなく、矢野監督が攻めた結果だった。

 「俺がそういうサインを出しているんだから。別に海(植田)を責めることはない。俺がそういう指示を出しているんでね」

 植田も「サイン通りです」と強調し、下を向かなかった。1点を奪えば延長戦へ持ち込める状況。バットに投球が当たった瞬間に突入する「当たりゴー」の作戦だった。前進守備の正面へ内野ゴロが飛んだとしても勝負できる反面、相応のリスクと背中合わせのギャンブル。たとえ裏目に出ても、勝負に出た末の結果に悔いはなかった。

 「最後は、ああいう形になったけど、それは俺の責任の中だからね。よくやってくれたと思う」

 選手たちの奮闘をたたえる言葉は本心からだ。植田は9回無死一塁で送った代走だった。梅野の打席では自らの判断で猛警戒をかいくぐって5球目に二盗を決めた。「凄いよ。あれが海の良さ。あそこで走るというのは勇気がいることだしね」。チームと同様に成長過程にある23歳の決断と実行を評価し、失敗よりも成功体験を自信につなげてほしいと願った。

 「やることはやったんじゃない。攻めて、みんなが引いたプレーはしていないと思う」

 最大3点差をつけられた展開から粘り強く戦った。4回は2死からつないで糸原、糸井の連続適時打で1点差。突き放された直後の6回も大山の適時打で再び追いすがった。最後まであきらめずに積み重ねた11安打はロッテを上回った。

 2桁安打は3試合連続。大黒柱の福留が「右ふくらはぎ筋挫傷」で離脱している状況で奮戦した。あと一歩のところで敗れても、矢野監督は「俺はみんなやることはやってくれたかなとは思う」と胸を張る。文字通り次につながる一戦だった。(山本 浩之)

続きを表示

「稲村亜美」特集記事

「プロ野球 交流戦」特集記事

2019年6月6日のニュース