広島・田中広、5打点荒稼ぎ!弟・俊太と同一シーズン兄弟満塁弾達成

[ 2019年6月6日 05:30 ]

広島   広島9―1西武 ( 2019年6月5日    メットライフD )

8回1死満塁、田中が右越えに満塁ホームランを放つ(撮影・篠原岳夫)
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 広島・田中広輔内野手(29)が5日の西武戦で今季2度目の決勝打に満塁本塁打など3安打5打点と大暴れし、チームの連敗ストップに貢献した。8回に放ったグランドスラムで弟の俊太(巨人)と同一シーズンでは日本人初となる兄弟満塁弾も達成。1割台に低迷していた打率も4月13日以来の2割台(・203)に乗せ、悩める男に復調の兆しが見えた。

 復調の光は、急激に強く輝き始めた。8回、リードが4点に広がり、なおも1死満塁。田中広が左腕・斉藤大の初球スライダーを捉えたライナー性の一撃は失速することなく右翼席最前列に飛び込んだ。今季3号は18年7月27日DeNA戦以来、通算3本目のグランドスラム。普段は冷静な男もベンチの大歓迎に、自然と笑みがこぼれた。

 「みんがつないでくれたので、何とか(したい)という気持ちだった。少しずつ良くなっている中で、たまたま良い結果が付いてきてくれた」

 1―1の7回1死満塁でも結果を出した。2番手の左腕・小川に対し、2ボール1ストライクから外角に逃げるスライダーを必死に右前に転がした。勝ち越しの一打は4試合連続適時打となり4月20日DeNA戦以来、今季2度目の決勝打にもなった。1試合5打点は15年6月10日の西武戦で6打点して以来。まさに大暴れだった。

 3回先頭では左中間二塁打で出塁し先制のホームを踏んだ。3月31日巨人戦以来、2度目の3安打猛打賞で低空飛行を続けていた打率も4月13日以来の2割台(・203)に乗せた。それでも「安心できる数字ではない」と表情を引き締めた。

 昨年11月の日米野球で、ともに侍ジャパン一員として戦った西武・秋山の打撃理論に影響を受けた。ポイントは左肩を出すタイミングをできる限り遅らせること。「意識してきたことと真逆の感覚」とオフ期間に着手した。4日の一戦で秋山の全方向に4安打する高度な打撃技術を目の当たりにして臨んだ一戦で、自身も必死に結果を出した。

 こだわりある「1番」は4月30日を最後に外れた。東出打撃コーチは「出塁率が上がってくれば、野間と(1番を)入れ替えることもできる」と言及した。連敗を2で止め交流戦2戦目で初勝利。「もっともっとチームに貢献したい」。悩める男が復活すれば、赤ヘルはいよいよ手がつけられなくなる。 (河合 洋介)

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2019年6月6日のニュース