イチロー不完全燃焼「もう162試合やりたい」

[ 2013年10月1日 06:00 ]

最終戦を終え引き揚げるヤンキースの(左から)ジーター、イチロー、ペティット、黒田、ジラルディ監督

ア・リーグ ヤンキース5―1アストロズ

(9月29日 ヒューストン)
 この1年を象徴するような終わり方だった。ヤンキースのイチローは、メジャー13年目で初めてシーズン最終戦を欠場。136安打、打率・262の成績に「もう1周やりたい。もう1ラウンド。162試合」と不完全燃焼の思いを口にした。

 今季は8月21日に日米通算4000安打の偉業を達成。9月8日には13年連続20盗塁も記録した。しかし出場150試合も含め、全ての数字がメジャー自己ワースト。「やりきったシーズンなんか数えるほどしかないからね。自分ができることはいつもやりきる。それは当然のことだけど、どんな説明よりも“もう1ラウンド”っていうことじゃない」。行間には悔しさがにじみ出た。

 状況が暗転したのが、昨季42本塁打のグランダーソンが骨折から復帰した8月2日。それまでほぼレギュラー待遇だったが、首脳陣はガードナー、ソリアーノ、ウェルズを含めた5人の外野手に先発機会を均等に与えるようにした。打率・321の対左腕相手でも先発を外され、同・235の対右腕相手で先発起用される。6月は打率・292、7月は・305を残し「頭と体が一致している」と表現するほど調子を上げていたが、最後の2カ月は・222と失速した。

 ただ、これがピンストライプに身を包む者の宿命。22日には40歳となり、来季は2年契約の最終年となるが、取り巻く環境は変わらない。「過去の経験がプラスになったかどうかは未来の自分次第」。後のない勝負の1年へ向け、イチローはニューヨークにとどまり、休む間もなく来季へ向けてトレーニングを開始する。

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2013年10月1日のニュース