ダル大一番で試合作った 下克上世界一可能性残った

[ 2013年10月1日 06:00 ]

エンゼルス戦の6回途中、交代を告げられ、マウンドを降りる際にほえるレンジャーズのダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ6―2エンゼルス

(9月29日 アーリントン)
 「下克上」世界一への道を切り開いた。レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が29日(日本時間30日)、レギュラーシーズン最終戦のエンゼルス戦に先発し、5回2/3を4安打2失点。接戦を制して7連勝をマークしたチームはレイズとワイルドカード同率2位で並び、30日(同1日午前9時7分開始)のタイブレーカー(決定戦)に持ち込んだ。4日(同5日)のレッドソックスとの地区シリーズ初戦に先発予定のエースは、ポストシーズン進出を信じて待つ。

 マウンドを降りるダルビッシュは声の限りに叫んだ。「アーッ!」。2―1の6回2死一塁、初回にソロ本塁打を浴びたトラウトに四球。直後、ロン・ワシントン監督に交代を命じられた。ベンチ奥の通路に引き揚げる際にも、大きくほえた。

 「ワッシュ(ワシントン監督)がマウンドに来て言ったのは“これ以上おまえの顔を(テレビで)映すのは厳しいから、顔のいいコッツに代える”ということ。だから“俺の方が、顔いいんじゃ!”と(叫んだ)」

 試合後は悔しさを隠すように冗談めかした。負けられない試合。同率で並んでいたレイズは6回の時点で既に勝利していた。指揮官は「ハミルトンは一振りで流れを変えられる。対戦を心配した」と説明したが、まだ84球。エースには早過ぎる降板指令だった。「僕としてはトラウトに無理をせず(4番の)ハミルトンで抑えたいという感じだったから、ちょっとビックリしました」。2番手コッツがハミルトンに適時打を許し、ダルビッシュの14勝目は消えた。

 前夜は10時に就寝し、朝10時半に起床。重圧は皆無だった。ただ、疲労蓄積から球威、制球ともに本調子でなく、2回にはワシントン監督がトレーナーを伴ってマウンドに行く場面も。それでも「自分のベストを尽くすことを考えた」と、普段あまり使わないチェンジアップをアクセントに8三振を奪った。今季はこれで両リーグ断トツの277奪三振で初タイトルはほぼ確定。被打率・194もリーグ最高で、防御率2・83は同4位。昨季の16勝を下回ったが、オンリーワンの存在を知らしめた2年目だった。

 レギュラーシーズン最終登板は不完全燃焼に終わったが、世界一への戦いはまだ終わらない。チームは崖っ縁からの7連勝。ワイルドカード最後の1枠を決めるレイズとの決戦に持ち込んだ。タイブレーカー、その次のワイルドカードゲームと、負けたら終わりの一発勝負を2度勝ち抜けば、中4日で再びダルビッシュに登板が回ってくる。レッドソックスとの地区シリーズ初戦だ。「(チームが)勝ったので良かったです」と短い言葉に決意を込めた右腕。この日の悔しさを晴らすのが、自ら道筋をつけたポストシーズンの舞台だ。

 ≪わずか84球で交代≫ダルビッシュの84球はメジャー移籍以来、2番目に少ない球数。ただし、7回81球だった今年9月9日のパイレーツ戦は、右足がつりそうで大事を取ったのが交代の理由。体調と直接関係ないケースでは、最も少ない球数での降板となった。

 ▽タイブレーカー(決定戦) レギュラーシーズン全日程を終えても地区優勝やプレーオフ進出チームが決定できない場合に行われ、今回が大リーグ14度目(3回戦制含む)。レンジャーズ、レイズにとっては初めて。最近では09年のア・リーグ中地区でツインズとタイガースが同率首位で並び、決定戦でツインズが勝って優勝した例がある。プレーオフとは異なるため、チームの勝敗、個人成績はレギュラーシーズンの成績に加算される。開催地は当該球団の対戦成績で決まり、今回は4勝3敗と勝ち越していたレンジャーズの本拠地で行われる。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2013年10月1日のニュース