「小ブラゼル」森田 球団史上初のプロ初打席本塁打

[ 2011年7月27日 06:00 ]

<神・中>5回1死一塁、代打・森田がプロ1号となる同点2ラン

セ・リーグ 阪神5-3中日

(7月26日 甲子園)
 オールスター明けで本格的に後半戦が開幕した26日、阪神では「持ってる男」が衝撃デビューを飾った。出場選手登録されたばかりの森田一成内野手(21)が、5回にプロ初打席で代打同点2ラン。日本ハム・中田翔外野手(22)らとドラフト同期の若武者が、球団史上初の初打席本塁打の快挙を成し遂げた。その風貌から「小ブラゼル」と呼ばれる育成枠上がりの苦労人による一打をきっかけに逆転勝ちしたチームは、単独2位に浮上した。

 はち切れそうな背番号69のユニホームで、森田はあっという間にダイヤモンドを一周した。4万5129人の大歓声が心地いい。球団史上初のプロ初打席本塁打。4年目で初めて出場選手登録されたばかりの若武者が、強烈な存在感を示した。

 「緊張してたけど、入ってくれと思って走ってました。うれしいのひと言。フルスイングできてよかった。最高です」

 出番は突然やってきた。2点を追う5回1死一塁。先発の能見の代打で迎えたプロ初打席。しびれるような状況だったが「結果を恐れずに思い切っていこう」と初球は豪快な空振り。続く外角147キロ直球を振り抜くと打球は低い弾道で左翼ポール際へ吸い込まれた。

 関西(岡山)から07年高校生ドラフト3巡目で入団も、右肩痛でわずか1年で育成枠に降格となった。それでも必死のリハビリで昨年7月、再び支配下登録を勝ち取った。勝負の4年目を迎えるにあたり昨オフ、知人に頼み込んで2学年上のオリックス・T-岡田を紹介してもらった。尼崎市内のバッティングセンターで対面して本塁打王のスイングを吸収。「パワーがあるんだから芯に当たれば勝手に飛んでいく。力まず振り抜けばいいよ」ともらったアドバイスを忠実に実行して、値千金の一撃につなげた。
 母校の関西はこの日、岡山大会で劇的なサヨナラ勝ちをおさめて甲子園出場を決めた。自身も06年センバツでは1学年上の早実・斎藤(日本ハム)と対戦しているが「持っている?あまりそんなのは…」とはにかんだ森田。ヒーローインタビュー後は、風貌が似ていることから何かと面倒を見てくれる兄貴分のブラゼルからシェービングクリームの洗礼も受けた。

 「一番いい結果が出たけどこれからなので。1軍にしがみついて頑張っていきたい」。お立ち台で大歓声を浴びた21歳は、ド派手にプロ第一歩を踏み出した。

 ◆森田 一成(もりた・いっせい)1989年(平元)8月4日、岡山県生まれの21歳。関西(岡山)では春夏計3度甲子園に出場。06年センバツでは早実・斎藤(日本ハム)とも対戦した。07年センバツは4番で8強。同年高校生ドラフト3巡目で阪神入りも、右肩の故障もあって1年目のオフに育成選手契約に。昨年は2軍で4番も務め、7月20日に支配下選手へ再登録された。1メートル85、93キロ。右投げ左打ち。

 ≪代打では史上13人目≫森田(神)が中日戦の5回に代打でプロ初打席初アーチ。プロ初打席初本塁打は09年8月16日広島戦のランドルフ(横)以来、プロ野球51人目。阪神では1リーグ時代を通じ初めて。また、初打席本塁打を代打で記録したのは09年7月7日中日戦の福田(中)以来、史上13人目だ。なお、阪神では36年5月4日セネタース戦で藤井勇がチーム1号を放ってから、森田がちょうど球団300人目の本塁打記録者になった。

 ▼阪神・真弓監督(森田について)若い人が出るとチームが勢いづく。早く首位に近づいておきたい。

 ▼阪神・和田打撃コーチ(森田の同点弾に)本人にとっても、チームにとっても非常に大きな一発だった。これから(代打の)機会が増えるんじゃないかな。

 ▼阪神・鳥谷(3―3の8回に決勝右中間三塁打)向こうに流れがいっているときに森田が同点のホームランを打ってくれた。何とかしたいという気持ちがあった。

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