震災乗り越えた古川工 春夏通じ初の甲子園切符!

[ 2011年7月27日 06:00 ]

<利府・古川工>甲子園出場を決め、歓喜の輪を作る古川工ナイン

宮城大会決勝 古川工3―1利府

(7月26日 Kスタ宮城)
 第93回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は26日、決勝4大会を含む27大会60試合が行われた。宮城大会では東日本大震災でグラウンドの照明が倒壊するなどの被害を受けた古川工が、利府を3―1で下し春夏通じて初の甲子園出場を決めた。また西東京大会では日大三の斉藤風多投手(2年)が5回参考ながらノーヒットノーランを達成。27日は決勝15大会を含む30大会で56試合が行われる。

 春夏通じて初の甲子園を祝福するかのようだ。試合終了とほぼ同時に雨が上がり、夏の日差しが古川工ナインを照らし出した。公立校が出場するのは02年の仙台西以来、9年ぶりで、全員が宮城県の出身。被災地を代表して聖地の土を踏むことになった今野主将は「宮城が元気なことを証明したい」と力を込めた。

 決勝の相手は同じ公立校の利府。1―1の同点で迎えた7回1死満塁から只埜の左前適時打で勝ち越すと、エース山田は最速141キロの直球を軸に、準決勝の東北戦に続く1失点完投を飾った。

 東日本大震災で学校のある大崎市は最大震度7を計測した。グラウンドには亀裂が入り、2基ある夜間照明のうち1基が倒壊。自宅が大規模半壊する部員もいた。震災から3日後の3月14日から約2週間、ナインはがれき撤去のボランティアに従事。その間、テレビでセンバツに出場した東北ナインが懸命に戦う姿を目に焼き付けた山田は「自分も頑張らないと」との思いを強くした。

 4月20日に練習を再開したが、春季大会は中止。一時は夏の大会の開催も危ぶまれ、間橋康生監督は「目標を失い野球に身が入る状態ではなかった」という。だが、開催が決まるとチーム内の雰囲気は一変した。「それまでは何で野球をやっているのか分からなかったけど、一つになった」と今野主将。ボランティア活動中に地域の人から掛けられた「一緒に頑張ろう」という声を励みに、過去最高成績が4強だったチームが聖地にたどり着いた。

 今野主将は「優勝旗を持って帰ってきたい」とキッパリ言った。被災地の思いを背負った古川工の「特別な夏」は第2章へと突入する。

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