29勝32敗の借金生活 それでもトレードデッドラインで「売り手」に回らないフィリーズ 自信の根拠は?

[ 2023年6月8日 13:50 ]

 米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が「フィリーズは29勝32敗の借金生活でも、トレードデッドラインで「売り手側」には回らない」と報じている。

 昨季も21勝29敗と出足は悪かったが、立て直し、新たにできた6つ目の枠でポストシーズンに滑り込み、ワールドシリーズまで勝ち上がった。

 マーリンズ、レッドソックスでチームを世界一に導いた百戦錬磨のデーブ・ドンブロースキー編成本部長は今季も出足でつまずいたのには理由があると言う。

 野手ではブライス・ハーパー、先発投手ではランヘル・スアレスが序盤ケガでいなかった上に、リース・ホスキンスなど2人の一塁手がケガで途中離脱した。そもそもワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で15人の選手が途中キャンプ地を離れた上、正捕手のJT・リアルミュートの不在が痛かった。投手たちと一緒に新しいピッチクロックに慣れていくことができなかった。先発ローテに入る予定だった有望株のアンドリュー・ペインターも右ひじを痛めた。

 だが、開幕から2か月が経った今、ケガ人が復帰し、復調気配のた選手も増えてきた。投手ではアーロン・ノラとタイワン・ウォーカーがようやく回復の手ごたえを見せ始め、ザック・ウィーラーも今後に期待ができる。層は薄いが、マイナーから昇格できそうな投手たちもいる。

 トレー・ターナーはじめ、攻撃陣の調子も上向きだ。ドンブロースキー編成本部長は球団記録のサラリー総額2億4300万ドル(メジャー4位)のメンバーに自信を持っている。「地区首位のブレーブスは確かに良いチームで、ウチとは7・5ゲーム差。でも、ウチの先発投手陣はレベルが高い。投手の調子が良ければ、どんな打線であろうとシャットダウンできる。ウチはブルペン(中継ぎ陣)も強力だ。そして何よりも打線。調子が上がってくれば、他のどの打線よりも、好投手を攻略できる力を持つ。それがウチのカギだ。そういう状態になればウチにチャンスが生まれてくる」。去年ペナントレースの終盤やポストシーズンでは、ハーパーやカイル・シュワバーらが本領発揮、神がかり的な活躍で、難敵を次々に打ち破った。「奇跡を起こすフィリーズ」。だからこの程度の借金生活では諦めない。

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