広島1―0 坂倉の1本勝ち5号ソロ 捕手らしく「この0点は内外野の方が守ってくれて、そこに感謝」

[ 2023年6月8日 06:20 ]

交流戦   広島1―0日本ハム ( 2023年6月7日    エスコンフィールド北海道 )

<日・広>5回、ソロを放った坂倉(撮影・高橋 茂夫)
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 広島は7日、日本ハムを1―0で下し、緊迫の投手戦を制した。5回に坂倉将吾捕手(25)が均衡を破る値千金の左越え5号ソロ。九里亜蓮投手(31)は虎の子の1点を守り抜き、7回を2安打零封して5勝目を挙げた。交流戦の勝ち越しは、昨年5月31日~6月2日の日本ハム戦(マツダ)以来6カードぶり。チームは貯金を2とした。 

 飛び込んでくる打球を目で追いながら、広島の中継ぎ投手陣は手を叩いて喜んだ。0―0の5回1死から坂倉が放った値千金弾。敵地エスコンフィールドの左翼後方にある広島ブルペンに運んだ。口をつく言葉は実に捕手らしいものだった。

 「いいアプローチができたんじゃないかと思いますが、勝てたことがまずよかった。この0点は内外野の方が守ってくれてなので、そこに感謝です」

 敵の左腕・加藤貴が投じた初球、外寄りカットボールを積極的に振り抜いた。5月24日の中日戦(マツダ)以来の今季5号は、昨年6月10日の西武戦(ベルーナ)以来となる交流戦2号。50キロの球速差を操る軟投派に、攻撃陣は総じてタイミングが合わなかっただけに貴重な一発となった。

 タイミング。多くの打者が取り方に苦労するそれを、坂倉は「正直、意識したことがない」と打ち明ける。腰の入ったフォームから繰り出す独特の柔らかな打撃。天賦の才を持つ左打者が重視するのは自身の始動だ。

 「始動のタイミングは、投手が上げた足を下ろしてくるところ。投手のお尻が落ちてくるとこらへんです」

 投手が軸足とは逆の足を高く上げ、真っすぐ前に踏み出すタイミングで始動し、打ちにいく。クイックモーションでもワインドアップでも「変わらないのはそこしかないので目安にしやすい」。日大三高時代に発見した独自の極意だった。

 「タイミングが悪いと感じたら、そこにしか合わしていない。微調整はしますけど」

 北の大地で連勝し、6カードぶりの交流戦勝ち越し。新井監督は「今日はバッテリー中心に守り勝った試合。サク(坂倉)が(九里を)よく引っ張っていたし、本塁打もナイスだった」と目を細めた。

 「特別な意識はないですし、勝つことを最優先で。他の投手の時も打てるように」

 今季、九里の登板時にかけた3本目のアーチ。好相性を指摘する声に、坂倉はほほ笑みながら攻守での貢献を誓った。(江尾 卓也)

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