日本ハム・加藤貴 志願の8回1失点好投も1球に泣く「打者を褒めるしかないですけど…」

[ 2023年6月8日 06:00 ]

交流戦   日本ハム0-1広島 ( 2023年6月7日    エスコンF )

<日・広>先発の加藤貴は8回1失点(撮影・高橋 茂夫)
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 好投も実らなかった。日本ハムの加藤貴之投手(31)が7日、広島戦に先発し、8回3安打1失点と安定した投球を見せたが、打線の援護がなく、今季4敗目を喫した。5回に手痛い先制ソロを浴び、この一発に泣いた。チームは2連敗となり、交流戦開幕3カード連続勝ち越しとはならなかった。

 左のエースとして、続投は当たり前だった。加藤貴は7回までに108球を投じていたが、ベンチで建山投手コーチに意思を伝えた。「行かせてください」。8回も3者凡退に抑える。今季最多122球の熱投だった。

 「前回はふがいない投球をしたというのがありますし、6連戦というのもありますし。自分の中では7回終わった時点で行くつもりだった」

 1日のヤクルト戦では7回途中4失点。悔しい降板から中5日で、できる限り長くマウンドに立つことにこだわった。有効だったのは80キロ台後半のスローカーブ。130キロ台後半の直球との約50キロの緩急を駆使し、打たせて取る投球を展開した。4回2死まで許した走者は味方の失策による1人だけで、無安打投球を続けた。

 悔やまれるのが5回だった。1死から坂倉に浴びた左越え先制ソロの一発に泣き「打者を褒めるしかないですけど。あそこで粘れるように」と前を向く。建山投手コーチは「今年は長いイニングを投げる意識が強いので、頭が下がる」と感謝する。この日で11試合に登板し、勝ち星こそ4勝ながら、計80投球回はリーグトップ。リリーフ陣の疲労軽減への貢献度は計り知れない。

 次回は来週のDeNA戦(横浜スタジアム)での登板が濃厚。「上を目指してと(新庄)監督も言っている。自分のプラスになると思って投げたい」と加藤貴。粘り強く投げ続ければ、結果は必ず付いてくるはずだ。(田中 健人)

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