阪神・前川 初3番初マルチ!打順に「ホンマにビックリも」ハツラツ

[ 2023年6月8日 05:15 ]

交流戦   阪神11―3楽天 ( 2023年6月7日    楽天モバイル )

<楽・神>3回、内野安打を放った前川(左)が足を滑らせる(撮影・岸 良祐)
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 プロ初安打の翌日はいきなり、初の3番スタメンだった。阪神・前川は試合後、改めて「(言われた時には)ホンマにビックリしました」と振り返った。だが、それで終わらないのが将来の主軸候補だ。

 「自分の打てるところをしっかり打つというところを(意識した)。いい結果が出た」

 助っ人砲ノイジーの代役を任された。常人なら、力みかえってしまうところだろうが、この20歳は違う。ベストを尽くすことを念頭に、打席に入った。まずは初回1死一塁の第1打席では1ストライクから田中将のツーシームを中前にはじき返し、波に乗った。続く3回1死二塁でも、1ボールからツーシームを一、二塁間に打ち返し、二塁・浅村のグラブをはじく内野安打として佐藤輝の3点三塁打をお膳立てした。初3番で初マルチ。「(田中将投手から打てて)うれしかったです」と振り返ったように日米通算193勝右腕からマークしたのだから、価値がある。代役どころか、ノイジー以上の活躍で輝きを放った。

 5日ロッテ戦から水口打撃コーチの助言もあってグリップの位置を高くする構えに変更した。「(バットの)ヘッドが下がって(出て)くることがあったので」と同コーチ。まだ突貫工事中で試行錯誤の途上だが、それでも小さく動く田中将のツーシームを2打席連続で捉えられたのは天性の打撃センスだろうか。圧倒されるどころか、それを上回る高い適応力を見せつけた。

 高卒2年目以内の選手が3番に名を連ねるのは、ドラフト制以降では67年藤田平、98年の浜中治に続く3人目で、25年ぶりだった。そして3番デビュー戦のマルチ安打は、同初の快挙となった。

 それでも浮かれることはない。自らの現在地を把握し、反省を忘れない。「その後の3打席で何とかしないと1軍には残れない。もっと自分のやるべきことをやっていかないといけない」。高卒2年目の若武者は急成長中だ。(石崎 祥平)

 <浜中以来25年ぶり>○…高卒2年目の前川(神)がプロ初の先発3番出場で2安打。阪神の高卒入団選手がプロ2年目までに先発3番で起用されるのは、98年の2年目・浜中治以来25年ぶり、2リーグ制以降6人目。初出場でマルチ安打は64年の新人・和田徹の3安打以来59年ぶり2人目。ドラフト制以降(66年~)入団の3人では初めて。なおドラフト制以降で高卒2年目までにクリーンアップ起用は、3番の3人に加え、前出の67年藤田と98年浜中、74年新人の掛布雅之が先発5番で初出場している。

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