巨人・岡本和 同じ奈良出身のオリ・曽谷撃ちでセ球団初の交流戦200勝 好調要因は「企業秘密」

[ 2023年6月8日 05:20 ]

交流戦   巨人10-0オリックス ( 2023年6月7日    京セラD )

<オ・巨>初回2死一塁、オリックス先発の曽谷(左)から中前打を放つ岡本和。敵失も絡み先制点となる(撮影・成瀬 徹)
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 奈良県人の先輩として負けるわけにはいかなかった。地元同士が約30キロの距離にある2人が、京セラドームの18・44メートルの距離で対峙(たいじ)した。

 0―0の初回2死一塁。巨人の主砲・岡本和が、プロ初先発だったオリックスのドラフト1位左腕・曽谷の外角球を「つなぐだけなんで」と中前にはじき返した。中堅手の広岡がボールを弾く間に一塁走者の秋広が生還(記録は安打と失策)。先制点をもぎ取った。4回には三塁内野安打を放ち、交流戦8試合で6度目のマルチ安打。好調の要因を問われると「企業秘密です」とおどけた。

 4学年下の左腕は斑鳩町出身。地元愛が強く、背番号「17」は同町にある法隆寺と縁が深い聖徳太子が定めた「十七条の憲法」にちなんで選び「オリの聖徳太子」と注目を集めた。地元愛なら負けてはいない。入団直後は奈良にちなんでチーム内で「大仏」と呼ばれたこともあった。今年4月には地元・五條市の観光大使に就任。就任式では名産の柿をあしらったヘルメットをかぶり「柿は本当によく食べたし、実は梨もおいしい」と故郷を目いっぱいアピールした。その主砲の同郷撃ちを皮切りに、打線は今季初の2桁10得点で連敗を2でストップ。セ・リーグ球団初の交流戦通算200勝を達成した。

 明治時代の俳人で、02年に野球殿堂入りした正岡子規は、奈良旅行に訪れ「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の名句を詠んだ。今季、戸郷が先発した10試合で岡本和は打率・447、5本塁打、10打点。エース投げ 4番が打つなり 交流G――。(花里 雄太)

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