日本ハム・加藤豪 デビューから10試合連続安打 73年ぶり2リーグ制後最長タイ

[ 2023年6月8日 06:00 ]

交流戦   日本ハム0-1広島 ( 2023年6月7日    エスコンF )

<日・広>8回、安打を放つ加藤豪(撮影・高橋 茂夫)
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 歴史に名を刻む「H」ランプがともった。3回1死一、二塁。日本ハムのドラフト3位・加藤豪が、デビューから出場10試合連続安打となる中前打。50年の近鉄・伊藤利夫に73年ぶりに並ぶ2リーグ制後最長記録に「正直なところ自分でいいのかな。チームの勝利に貢献しようとしてきた結果ですね」と笑った。

 親の仕事の関係で6歳から米国で野球を始めた。米国人にはパワーで劣るため、当時のコーチから「ボールを叩きつけてゴロを転がせ」と指示された。ただ、本意ではなく目標は憧れのイチローのような鋭い打球。周囲に「つまらない」と漏らしていた時、背中を押したのが一人の日本人だった。小6の年末年始に母の故郷、新潟・佐渡市へ帰省。スポーツ店「ダグアウト」の高橋洋介代表(49)が開催する野球教室に参加した。車3台ほどのガレージを改装した室内練習場で打撃フォームを撮影。米国でもそのDVDを、何度も見返すなど日本で目標像を再確認したからこそ、今がある。

 前日まで使用し連続安打の験担ぎだった打撃手袋は、試合に集中できないほど「もう臭くて」とこの日、新調。「もうメンタル的に大丈夫。一からのスタートです」と2安打した。0―1で試合は敗れたが、新たな気持ちで73年ぶりに歴史を塗り替える。(清藤 駿太)

 ≪15球団で新人大量の50年≫▽伊藤利夫 岐阜中から早大へ進み、社会人の大日本土木を経て50年に誕生した近鉄に入団。新人ながら開幕戦の3月12日毎日戦に代打出場し初打席で右翼線二塁打を放つと、31日の毎日戦まで10試合連続安打のデビューを飾った。同年は2リーグ制移行で8球団からセ、パ合わせて15球団に増え、多くの新人が入団し活躍した年だった。阪急で52年に現役引退し、その後は母校の岐阜高監督に就任。54年夏と55年春の甲子園に出場、後の巨人V9捕手で西武監督を務めた森祇晶を指導した。

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