ピッチクロックでセーブの成功率が1年前より6・4%下落、終盤を盛り上げたいMLB機構の狙い通り!?

[ 2023年5月16日 09:13 ]

ブルージェイズのジョーダン・ロマノ投手(AP)
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 今季から導入されたピッチクロックの狙いは試合をスピードアップさせることだが、同時に終盤にドラマチックな逆転劇がもっと見られるようにという意図もある。

 近年のメジャーではリリーバーが1球1球、気持ちを落ち着け力いっぱい投げ込んでくるから、バットに当てるのも難しく反撃が起こりにくくなっていた。クロックがあれば急かされるし、これまでのようにはいかない。

 MLBでは14日(日本時間15日)まで610試合を終えて、500のセーブ機会があったが、307セーブと成功率は61・4%。これは去年の同時期の67・8%から6・4%下がった。過去10年の平均は65・1%で、特に15年は70%だった。AP通信が15日(日本時間16日)に報じている。

 オリオールズは21回のセーブ機会に13回成功(約61・9%)。ブランドン・ハイド監督は「試合の重大な場面に出てきて、アドレナリンがいっぱい出てくる。そんな中でリセットはさせてもらえない。クローザーにとっては大変なアジャストになっている」と指摘する。フェリックス・バティスタ投手はここまで13回の機会に10セーブを挙げている。

 ブルージェイズは16回のセーブ機会に12回成功(75%)で、クローザー、ジョーダン・ロマノは12回の機会に10セーブを挙げている。それでも「リリーバーがマウンドに立つときはたいていストレスのかかる場面。調子が悪い日は数秒余計にあった方が助かる」と言う。

 ピッチクロックのため、今季の投球間の時間は1年前の20・5秒から14・8秒に減った。「数秒減った分、早く気持ちを落ち着けて投げないといけないというのがある」。成功率が5割を切るのはカージナルスで18回中7回(38・9%)、ライアン・ヘルズリー投手は7度の機会に4セーブだ。ホワイトソックスが15回中7回(46・7%)で、レイナルド・ロペス投手は8度の機会に4セーブ。アスレチックスは14回中3回(21・4%)で、4回中2回に失敗したジェウリス・ファミリア投手は既に戦力外になっている。

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