中畑清氏 DeNA負の流れを呼んだ受け身の姿勢の宮崎外し

[ 2023年5月16日 05:00 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】快調に首位を走ってきたDeNAが5連敗。12日からの阪神3連戦(甲子園)は3試合で28失点と打ち込まれ、2位に転落した。開幕カードに続く阪神3連戦3連敗。負の流れを呼び込んだのは初戦の先発オーダーにあったように思う。

 スタメンを聞いてがく然としたよ。今一番頼りになる打者、宮崎を外してるんだ。開幕4連敗の起点となった開幕戦もそうだった。阪神の先発は青柳。相性が悪いということで外したらしい。

 確かに対戦成績はよくない。46打数7安打、打率・152。昨季までの通算打率が・302の宮崎にしては抑えられている。通算打率・290の私にも苦手がいた。阪神のキーオだ。26打数2安打、打率・077。スタメンを外され「外してくれてありがとう」と思ったこともある。

 そんな私と違って宮崎は青柳からヒットを7本打っている。しかも6四球、1死球。打率は1割台でも、対戦出塁率は・264ある。今季唯一青柳と対戦した4月14日のハマスタ。2打席凡退した後に四球を選び、逆転につなげた。ヒットを打たなくても勝利に貢献できるんだ。

 ピカイチの打撃技術を持つハマのプーさん。打率・441、9本塁打、22打点は目下3冠だ。こんな打者を外してもらえたら、相手は楽だよ。

 宮崎を外して受け身の姿勢を見せたDeNAベンチ。1―0で迎えた2回2死二塁の場面では木浪に対する申告敬遠を指示して負の流れを決定づけた。

 マウンドには左腕エースの今永。当たっているとはいえ8番の左打者敬遠をどう思ったか。結果は最悪。青柳に三塁線を破られて逆転を許す。さらに守備の乱れもあってこの回4失点。この流れが3連戦全てを支配することになる。

 私の監督最終年となった2015年。球宴を首位で折り返しながら、最後は最下位に沈んだ。その反省をふまえて思う。受け身になって勝とうなんて10年早いよ。

 せっかくのチャンス。このままズルズルいったらもったいない。16日からのハマスタ6連戦で仕切り直し。今季11勝4敗の本拠地でチャレンジャー精神、攻めの姿勢を思い出してほしいな。(本紙評論家・中畑 清)

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