ソフトB育成4年目・石塚綜一郎 黒沢尻工時代の県内のライバル・朗希との対戦へ「まずは支配下」

[ 2023年5月16日 08:00 ]

猛アピール中の石塚
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 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする筑後鷹の第28回は石塚綜一郎捕手(21)だ。育成4年目の今季は3、4軍の非公式戦で10本塁打と猛アピール中。黒沢尻工時代は県内のライバルに大船渡で現ロッテの佐々木朗希投手(21)がおり、将来的な1軍での対戦も夢見て突き進む。

 背番号121の存在感がファームで際立っている。育成4年目の石塚だ。9日にタマスタ筑後で行われた3軍の練習試合では初回に左越えに満塁弾を放ち、早くも3、4軍の非公式戦での本塁打を10の大台に乗せた。打率も・336と好調。「自分でもこんなに打てるとは…とびっくりしていて。これからもタイミングを合わせてやっていきたい」と気を引き締めている。

 黒沢尻工では高校通算39発の右の大砲だが、昨年は2軍で25試合に出場して打率・259、2本塁打、11打点。3軍では66試合に出場して打率・238、6本塁打、36打点と好不調の波が激しく2軍に定着できなかった。

 オフに体の動きから特性を分類する「4スタンス理論」を受講した。これで変わった。現役時代に学んでいた城所3軍打撃兼外野守備走塁コーチが理論に興味を持っていた石塚に「本来のもの(打撃)を探しにいこう」と声をかけた。効果は抜群。これまでは後ろに軸足を残す打撃フォームだったが、前に軸足を置き移動しながら打つイチロー氏(元マリナーズ)と同じタイプなことが分かった。石塚は「キャンプからも意識してやってきましたし、そこに3年間の積み重ねがいいように出ている」と手応えを語る。大道3軍打撃コーチは「今年は好不調の波が少ない。3軍では打撃は別格」と昨年からの変化を証言する。

 実直な性格も結果につながっている。筑後の春季キャンプでは「人がいないときにやるのが一番だと思うので」と、最後まで室内で残って打撃練習をする姿がよく見られた。城所コーチは「うまくなりたい、自分を知りたいという向上心がある」と姿勢を評価する。

 待ってろ、朗希だ。高校時代、県内のライバルには同学年の大船渡の佐々木朗がいた。3年間で一度も対戦はなかったが、3年秋のドラフト会議後に一度だけ対面し、連絡先を交換。昨年、完全試合を達成した際は祝福のメッセージを送った。「そんなに仲がいいわけではないです」と苦笑いするも、次に対面するのは1軍で対戦する時――。それにはアピールし続けるしかない。「まずは支配下です」と力強く誓った。

 本職は捕手だが、出場機会を求めて三塁で実戦に出ることも増えている。12日からは2軍の遠征に同行。生き残りの争いはし烈だけに、打ち続けて道を切り開いていく。(杉浦 友樹)

 ◇石塚 綜一郎(いしづか・そういちろう)2001年(平13)6月7日生まれ、秋田県出身の21歳。黒沢尻工時代は投手としても活躍したが、甲子園出場なし。19年育成ドラフト1位で入団。背番号121。1メートル81、83キロ。右投げ右打ち。

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