京産大 8度目挑戦もあと一歩 一時13点リードも得意のスクラムで後手…反則の多さ響いた

[ 2022年1月3日 05:30 ]

ラグビー全国大学選手権 準決勝   京産大30-37帝京大 ( 2022年1月2日    東京・国立競技場 )

<帝京大・京産大>敗れて涙を流す京産大フィフティーン(撮影・久冨木 修)        
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 チーム8度目の準決勝に臨んだ京産大は30―37で帝京大に逆転負けし、初の決勝を逃した。勢いある攻撃でボール保持率が高かった前半は23―10とリード。しかし、4大会ぶり10度目の日本一を狙う相手に、後半にスクラムと接点で押されて反則が多発した。同点で迎えた残り2分に、決勝トライを奪われた。

 スクラムの京産大がスクラムで負けた。10点リードの後半20分から、帝京大の圧力に耐え切れず、自陣ゴール前で組むたびに反則をすること3度。その直後にトライを許し、3点差にされた。同32分の同点PGもスクラムの崩壊が原因だった。

 守備の要、フランカー三木は「FW戦で前に出られて、ミスをしてスクラムを組まれる負のループに入ってしまった」と悔やんだ。

 反則の多さはチームのアキレス腱だった。全勝で23季ぶり優勝をした関西リーグで、断トツに多い85個も犯した。準決勝も17個と多発。プロップ平野主将が「守備で前に出られず後手になった」という後半に12個も集中した。シーズンを通じて主原因のオフサイドを繰り返し同34分に1人が10分間の一時退場。数的不利の残り2分で勝ち越しトライを奪われ、力尽きた。

 「ひたむき」さを掲げた戦いが終わった。元日本代表の司令塔、広瀬佳司監督(48)が就任した今季、FWコーチの指導は週末のみ。平日は、平野と、故障で裏方に専念した3人いる主将の1人、桧垣が中心になって与えられたFWの課題に励んだ。大学スポーツらしい選手主体の取り組みに、指揮官は「春から意識高くやっていた」と目を細める。

 もう1人のリーダー、SH広田は「昨年までと比べて居残り練習をする人が増えた」と語る自主性と創意工夫の成果は、優勝候補の帝京大戦に表れた。

 連続攻撃で押し、FB竹下のPGで食らいつき、体を張った守備で勝ちかけた。昨季の天理大の日本一に続く関西の反抗。関東との差が限りなく小さくなったことを証明した。

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2022年1月3日のニュース