【箱根駅伝】青学大に“若の神”降臨!往路V 原監督采配ズバリ1年生2人快走

[ 2022年1月3日 05:30 ]

第98回東京箱根間往復大学駅伝 往路 ( 2022年1月2日    東京・大手町~神奈川・箱根町 5区間107・5キロ )

往路優勝のゴールテープを切る青学大・若林(撮影・尾崎 有希)
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 青学大が5時間22分6秒で2年ぶり5度目の往路優勝を飾った。原晋監督(54)の積極采配がさえ渡り、3区(21・4キロ)で太田蒼生(あおい)が首位を奪うと、5区(20・8キロ)の若林宏樹が区間3位の走りで逃げ切るなど、起用した2人の1年生の快走がチームに勢いを与えた。2位の帝京大とは2分37秒差。3日午前8時スタートの復路にも1万メートル28分台のエース級選手を残す盤石の布陣で、2年ぶりの王座奪回がはっきりと見えてきた。

 山の神ならぬ“若の神”が5区山上りで躍動した。往路の「パワフル大作戦パート1」を締めくくる、1年生・若林の力強い足取り。出雲駅伝4区6位、全日本は6区12位と精彩を欠いたホープは、ゴールに飛び込むと「出雲、全日本と(チームは)2位。やったぞという達成感がある」と初々しい笑顔を浮かべた。

 区間新ペースで飛ばしたものの、頂上付近では猛烈な向かい風を受けペースダウンした。「心を折られかけた」というが、結果的に2位に2分37秒差をつける区間3位の快走。高校時代に“3代目山の神”神野大地に憧れていた若林の登坂力を見込み、原監督自ら「青学じゃないと山の神になっても意味ないよ」と口説き落とした逸材が真価を発揮し「若の神の名前を与えられるかな。来年は4代目山の神を目指してほしい」と喜んだ。

 1年生を積極的に起用する「パワフル采配」がズバリ的中した。若林だけではない。3区にもルーキーの太田を抜てきすると、日本人区間最高を更新した東京国際大のエース丹所を競り落とし、首位との1分2秒差を逆転して奪首。タイム自体もこの日の2区で区間賞を獲得した駒大・田沢の1年時を上回り「自分より強い選手がいて、追いついてくるというのは予想通り。自分の中では思った以上の走りができた」と涼しい顔を浮かべた。

 采配成功の裏側には育成データを基にした強化プログラム「青山メソッド」の存在がある。蓄積したデータを基に選手の完成度を客観的に判断。往路は一人も区間賞は獲得できなかったが、全員が区間7位以内と安定した走りを披露した。1年生2人も強化メソッドの水準をクリアしていたとあって「何ら不安なくスタートラインに立たせられた」と自慢げに話した。

 ちょうど1年前は首位と7分35秒差の往路12位に沈んだ。指揮官自ら「ゲームオーバー」を宣言したが、今年は貯金を持って復路に挑む。「油断せず、復路も攻めの走りでパワフル大作戦パート2を進行していきます」。登録16人全員が1万メートル28分台という驚異の選手層を誇るチームの指揮官は、まるで“ゲームクリア”といわんばかりの充実感を漂わせていた。

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