【箱根駅伝】駒大 総合連覇へ往路3位 エース田沢が2区で区間賞 昨年7位から成長

[ 2022年1月3日 05:30 ]

第98回東京箱根間往復大学駅伝 往路 ( 2022年1月2日    東京・大手町~神奈川・箱根町 5区間107・5キロ )

3区・安原にたすきをつなぐ駒大2区・田沢(右)(撮影・会津 智海)
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 優しい声掛けに違和感を覚えつつも、駒大の田沢廉(3年)はのせられていた。運営管理車の大八木監督から「今回はいいぞ、のってるよ!」との声が何度も飛ぶ。同じ2区で7位だった前回は「男だろ!ぶっ倒れてもいいから、やれ!」と叱咤(しった)され続けただけに「いつも厳しい言葉ばかりだけど、今回は違った。監督も楽しそうだった」と解説。後押しを受け「きつ過ぎた」という終盤も粘った。

 トップと39秒差の2位でたすきを受けると、7キロすぎで中大を抜き去った。エースが集う花の2区で区間記録保持者イエゴン・ビンセント(東京国際大)らを抑え、1時間6分13秒で区間賞。区間記録からは24秒遅れたが、区間歴代4位の好タイムだった。駒大の2区区間賞は86年の大八木監督以来、36年ぶり。レース3日前に大八木監督から「俺、2区で区間賞獲ってるんだ」と冗談交じりにプレッシャーをかけられる中、尊敬する指揮官に肩を並べた。

 今季は主将に就任。21年春から始めた練習日誌には自身だけでなく他の部員の様子もつづる。チーム全体に気を配る中、前回大会アンカーで総合優勝に貢献した4年生が昨年5月に、県青少年保護育成条例違反などの疑いで神奈川県警に逮捕された。田沢は「いろいろ問題があったけど、言葉よりも背中で引っ張ってきた」とチームをまとめ上げた。

 約1カ月前にトラックの1万メートルで7月の世界選手権の参加標準記録を突破する日本歴代2位の27分23秒44をマーク。その実力を発揮したが「ここはただの通過点。監督には世界で記録を出した時に“やりましたよ!”と言いたい」と満足はしていない。首位・青学大と3分28秒差の3位。エースの激走で、2年連続8回目の優勝が視野に入る位置をキープした。

 ◇田沢 廉(たざわ・れん)2000年(平12)11月11日生まれ、青森県八戸市出身の21歳。青森山田高3年時にアジアジュニア選手権5000メートルに出場し、銀メダル。3大駅伝デビューとなった1年時の出雲駅伝は3区で区間2位と好走した。箱根は1年時に3区で区間3位、2年時に2区で区間7位。昨年12月の日体大長距離競技会の1万メートルで日本歴代2位の27分23秒44をマークした。1メートル80、60キロ。

 ▼駒大・大八木監督 復路の3分28秒、ちょっと厳しい部分はある。何が起こるか分からない。6、7、8区はしっかり走ってくれれば。9区に経験者の山野がいるんで。9区の時には1分差(以内)でいないと厳しいかなと思う。

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2022年1月3日のニュース