スプリント総合アベックV!美帆は日本勢初「オールラウンド」と2冠

[ 2020年3月1日 05:30 ]

スピードスケート世界選手権第2日 ( 2020年2月29日    ノルウェー・ハーマル )

スピードスケート世界選手権のスプリント部門で初の総合優勝を果たし、歓声に応える高木美帆
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 スプリント部門の女子は昨年総合2位だった高木美帆(日体大助手)が148・870点で、男子は新浜立也(高崎健康福祉大職)が137・465点で、ともに初の総合優勝を果たした。女子で昨年覇者の小平奈緒(相沢病院)は2位。28日の前半2レースとも1位だった高木美は、500メートルの2回目で37秒52の2位、1000メートルで1分13秒93で1位だった。2年前に短距離から長距離の4種目で競う「オールラウンド」で世界一に輝いており、スプリントとの両制覇は男女通じて日本勢初。初日トップだった新浜は500メートルの2回目で34秒39の1位、1000メートルで3位だった。

 女子1000メートルの2回目。最終組で同走の小平に先着した高木美は、総合優勝を確信するとガッツポーズで喜びを表現した。「スプリント」と「オールラウンド」の2冠は、万能スケーターの証。25歳の若さで離れ業をやってのけた。

 「実感が湧かない。500メートルでいいタイムを出せたのが大きい。オールラウンドとスプリントの両方を獲りたいと思っていたので達成できて良かった」

 500メートル2回目はこの種目の五輪女王、小平に0秒06遅れの2位と食らい付く。初日にリンク記録を塗り替えた1000メートルは疲れも見せずに1分13秒台を出した。

 短距離でも世界の頂点を争うまでに成長した背景には、8つ年上の小平の存在がある。国内でも、昨年挑戦した世界スプリント選手権でも高い壁に阻まれた。大健闘の2位を称える声にも「悔しい気持ちの方が強い」と静かに雪辱に燃え、持久力に爆発力を加えた。10年バンクーバー冬季五輪では初の中学生代表、18年世界選手権では男女通じて初のオールラウンド世界一。日本のスピードスケート史を塗り替えながら、2年後の北京冬季五輪へ進む。

 ▽スプリント部門 2日間で500メートルと1000メートルを2度ずつ滑って総合で争う。昨季まで別の大会だった世界スプリント選手権と短距離から長距離の4種目総合で競うオールラウンドの世界選手権を統合し、3日間の日程で行う。

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