大坂なおみ「この優勝が一番スペシャル」 あえてプレースピード落とし…取り戻した自分のスタイル

[ 2019年9月22日 15:58 ]

女子テニス東レ・パンパシフィックオープン最終日 ( 2019年9月22日    大阪市ITC靫TC )

<東レPPOテニス 決勝 大坂なおみ×A・パブリュチェンコワ>準優勝のパブリュチェンコワ(左)と記念撮影に納まる初優勝の大坂(撮影・北條 貴史)
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 シングルス決勝で世界ランキング4位の大坂なおみ(21=日清食品)が、同41位のアナスタシア・パブリュチェンコワ(28=ロシア)に6―2、6―3で勝利し、1月の全豪オープン以来となるツアー4勝目を飾った。東レパンパシフィックオープンは日本勢として95年の伊達公子以来2人目の優勝。3歳まで育った故郷・大阪で、最高の結果を手にした。

 満員約5000人の観衆からスタンディングオベーションで称えられた。優勝を決めた大坂はスタンドに上がり、父・フランソワ氏と歓喜の抱擁。漆器の優勝杯を手にし「最近2カ月ぐらい調子が上がらない中で、ここで良い結果が残せたことに運命を感じている」と笑顔を見せた。パブリュチェンコワとは17年10月の香港オープン準々決勝で敗れたのが唯一の対戦。2年前の雪辱を期したこの日はサーブ、ショットともに安定感を見せ、ブレークポイントすら1度も握らせない快勝だった。

 1月の全豪オープン後に世界ランキング1位となり、女王らしい戦い方を追い求めて自分のスタイルを見失った。4回戦で敗れて連覇を逃した今夏の全米オープン後に原点回帰。ジェンキンス・コーチとの契約を解消し、父・フランソワ氏をコーチにした。体力、技術に伴わないハイレベルなプレーを試みてミスが増えていたため、あえてプレースピードを落とすことを意識。日本協会の土橋登志久強化本部長は「NO・1になり、良いテニスで勝とうとしすぎて自分のテニスから離れていった。彼女のレベルならペースダウンしても相手には驚異になる。許容範囲でプレーすることで、大事な場面でのミスが減った」と分析した。

 試合会場の靫公園は3歳まで大阪で育った大坂がテニスを始めた場所だが「正直に言うと、大阪にいた時のことはあまり覚えていない。覚えているのは母が姉を私を公園に連れて行ってくれて肉まんを食べたことぐらい」と明かした。全豪後は2度のコーチ交代、世界ランキング1位からの陥落など激動の日々を過ごし「すべての経験が今の私を作りあげてくれている」と言う。過去3度のツアー優勝はグランドスラム2回、マスターズ1回。今回のタイトルは格式が下だが「この優勝が一番スペシャル。ずっと優勝したいと思っていた大会だから」と最高の笑顔を見せた。

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