桐生 日本人初アジア王者!“大舞台に弱い”汚名返上10秒10

[ 2019年4月24日 05:30 ]

陸上・アジア選手権第2日 ( 2019年4月22日    ドーハ )

観客席の声援に応える桐生
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 大舞台に弱いとの汚名を返上だ。陸上男子100メートルで桐生祥秀(23=日本生命)が10秒10(追い風1・5メートル)で同種目日本人初のアジア選手権優勝を飾った。スタートから力まずに一気に加速すると、そのまま先着。強敵と同じレースを戦うと力む悪癖も無の境地で克服。今秋の世界選手権が行われる会場で“強い桐生”を示した。

 今季の桐生はひと味違う。10秒08を出した3月のオーストラリアでの初戦はタイム差なしでの勝利。そして、今回は0秒03差の接戦を制した。日本代表として個人種目初のタイトルを手にし、「こういうレースで勝ち、タイトルが獲れたのは大きい」。自信に満ちあふれた表情で日の丸を高々と掲げた。
 今季はスタートで力を使わない練習を繰り返し、後半勝負を徹底。同じ後半型で、この日4位に終わった自己ベスト9秒94のフィッシャー(バーレーン)らとのラスト勝負を制したのがその成果だ。

 自己ベストは9秒98。言わずと知れた日本最速のスプリンターだが、これまで強豪と肩を並べるとことごとく不本意な成績に終わっていた。日本選手権の優勝はまだ1度。17年の日本選手権では4位に終わり世界選手権の代表にもなれなかった。16年のリオ五輪では日本勢でただ一人予選落ちした。だが、この日はかつての勝負弱さはもうなかった。「自分に集中できている」のが大きい。今年は相手を考えるのはスタートまで。「9秒台(の選手)もいるな、くらいしか思わない。自分の中で今年は違う」

 昨年のシーズン終了時点から意識は変わり始めていた。ライバルが走るたびに「自分の日本記録がもう少し続けばいい」と無意識に守りの姿勢になっていた。最終戦でも山県に敗れ「体が負けを認めていた。負けて吹っ切れたし、高校のときのような挑戦者の気持ちを持ってシーズン入りしたい」と初心に帰ることを誓っていた。

 同じ轍(てつ)は踏まない。17年後半の9秒台フィーバーで調整のリズムを崩した反省。表彰やイベントでシーズンインもずれ込み、18年の桐生は一度も10秒0台を出せなかった。今回の金メダルにも「9秒出した時は空回りしちゃったので、帰国しても練習して世界リレーをしっかり走りたい」。最速から最強へ。反撃のシーズンに備えかぶとの緒はきつく締めている。

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