eスポーツ セミナーが活況、「文化」としての普及に熱い思い

[ 2018年9月7日 05:30 ]

立ち見も出るほど盛況だったセミナー
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 スポーツビジネスの企業出展イベント「スポーツビジネスジャパン2018」が8月30日から2日間、大阪市北区であり、初日に「eスポーツはリアルスポーツを超えるのか?」というテーマのセミナーが開催された。同セミナーには日本eスポーツ連合(JeSU)らとともに、ゲーミングPCを展開するサードウェーブが登壇。取締役副社長の榎本一郎氏がeスポーツを文化として普及させるという意気込みを語った。

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 eスポーツの機運の高まりを反映して、セミナーは立ち見も含めて250人以上の聴講者が集まる活況を呈した。既存のスポーツと対比して語られることも多い現状に対して、榎本氏は短期的な経営目標のみにとどまらない展望を抱くことが重要だと熱く訴えた。

 「競技としても観戦する楽しみ方としても、これから整備しなくてはいけないルールがたくさん出てきます。それらをネガティブにではなく、前向きに解決を図ってくことが重要です。eスポーツを文化として広めていかなくては…と思っています」

 FPSなど大容量のデータ通信・処理を必要とするタイトルのため、サードウェーブは高性能なゲーミングPCをユーザーに提供する。eスポーツ市場の拡大に直接的な恩恵を受けることもあり、eスポーツの推進は長期的な経営戦略と定めている。「CS:GO」の公式大会「ガレリア ゲームマスターカップ」の主催、プロスポーツチーム「Rascal Jester」の運営、100台のPCを備えた国内屈指のオンライン会場「LFS池袋」の運用など、その活動はeスポーツの競技インフラにまで深く関わっている。

 サードウェーブの有形無形の支援は、日本では黎明(れいめい)期ともいえるeスポーツにとって大きな力となっている。セミナーに登壇したJeSUの平方彰専務理事は「“ビジネスのことはひとまず置いておく”という姿勢で取り組んでいただいていると思っています。eスポーツにとって頼もしいし、ありがたいことです」と話す。

 企業として掲げているキーワードは“挑戦と感動”。「きょうのセミナーもリアルスポーツを本業とする方たちに、あれだけ集まっていただきました。eスポーツへの思い入れはトップから現場のスタッフに至るまで、全社員が同じように抱いています」と、榎本氏は手ごたえを強調した。サードウェーブが先駆けて体現する情熱が、eスポーツを後押しする。

 《高校生大会開催》サードウェーブはこの年末から、高校生を対象とした「全国高校eスポーツ選手権」(毎日新聞社主催)を新たに開催する。競技タイトルは世界的に人気を博すPCタイトル「リーグ・オブ・レジェンド」。12月23日から4日間にわたってオフライン予選を行い、来年3月23、24日に千葉・幕張メッセでオンライン決勝がある。同社は大会参加を条件に、先着100校にゲーミングPCを最大5台まで無償レンタルする。榎本氏は「高校生の若者たちに、仲間と一緒に本気で何かに挑戦する場をつくれればと思っています」と大会の意義を語った。

 ◆サードウェーブ 1984年創立、所在地は東京都千代田区。代表取締役社長・尾崎健介。PC小売店「ドスパラ」などの運営、コンピューター機器の企画・製造・卸販売などを手掛ける。

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