貴親方愛弟子・貴公俊が付け人殴打 反暴力徹底してきたはずが…

[ 2018年3月19日 05:30 ]

大相撲春場所8日目、引き落としで大翔鵬(左)に敗れた貴公俊
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 貴乃花部屋の新十両・貴公俊(20)が、大相撲春場所8日目の取組後に支度部屋で付け人を殴り、日本相撲協会・危機管理部長で大阪場所担当の鏡山理事(元関脇・多賀竜)から事情聴取を受けた。協会は同部屋の貴ノ岩が元横綱・日馬富士の暴行により2場所休場した傷害事件などを受け、暴力問題の再発防止に取り組んでいた最中。協会は19日に臨時理事会を開き対応を協議するが、貴乃花親方は貴公俊を謹慎させる見通しだ。

 貴公俊による付け人への殴打は取組前、土俵下の控えに入るタイミングが遅れたことに伏線があった。

 本来は自分の出番の2番前の力士が仕切りをしている時間に控えに座る。普通はそのタイミングを付け人が関取に伝えるが、この日は付け人がうっかりしていたようで、連絡が遅れた。そのため、貴公俊は西の花道を小走りで控えに入った。正面に座っていた審判長の境川親方(元小結・両国)からは「遅いぞ」と注意を受けた。

 いつもと違うリズムで迎えたその後の取組では、引き落としで敗れ連敗。星勘定も3勝5敗と苦しい状況となりイライラしていたのか、支度部屋に戻ってから付け人に手を出してしまったようだ。関係者によると、暴言を浴びながら顔面を殴られた付け人は口を切って、血を流していたという。

 現場から報告を受けた鏡山危機管理部長は、当事者2人を呼び事情聴取。その事実は八角理事長(元横綱・北勝海)にも伝えられた。会見した春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)は「2、3発殴ったと(認めたと)のことだった。師匠には連絡しました。ある程度調べて、明日(対応を)話し合います」と説明した。

 この日、貴乃花親方は午前11時29分に会場入り。役員室に顔を出し、午後1時50分頃、部屋の関取の取組前に会場を後にしていた。

 協会は元日馬富士の傷害事件を受け、力士を対象にした八角理事長による講話や全協会員を集めた暴力問題再発防止の研修会などを開催。2月には再発防止検討委員会も立ち上げ、注意喚起していた。被害者となった貴ノ岩の師匠である貴乃花親方も指導を徹底していた矢先に、弟子がその教えに反する行為を行ってしまった。

 ◆貴公俊 剛(たかよしとし・つよし=本名・上山剛)1997年(平9)5月13日生まれ、栃木県小山市出身の20歳。茨城・境一中では双子の弟・貴源治とともにバスケットボール選手として活躍。中3の夏に体験入門したのをきっかけに貴乃花部屋へ入門。2013年春場所で初土俵。17年夏場所新十両の貴源治に続いて十両に昇進し、史上初の双子関取となった。1メートル85、143キロ。得意は右四つ、寄り。血液型O。

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