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感無量24.1キロ!ソウギョで世界記録 元荒川に大物求め…

[ 2022年1月17日 07:55 ]

世界記録となったソウギョを釣り上げた筆者と市川さん(右)
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】釣りにも魚種別、使用するライン強度のクラス別に日本記録、そして世界記録があるのをご存じでしょうか?そうです。釣りにもギネスのような記録認定があるのです。

 <怪魚ハンターにあこがれ> 記録なんて自分には関係ないと思う方はいるでしょうけれど、自分が釣った大型魚を文化的に未来へ継承していけるのだから、大物を釣ったら申請しておく方がいいのではないかと思います。私がそんな記録を意識して狙っていたのはソウギョです。

 10年ほど前から怪魚ハンターというのがはやり、私もアマゾンへは行けないけれど、これをまねし、身近なソウギョ釣りをしていました。

 そんな時、埼玉県の歯科医・市川満さんから情報をもらいました。彼が犬の散歩で近所の元荒川土手を歩いていた時、バキバキッという音が聞こえ、見るとソウギョが川岸のアシの葉を食べていたそうです。その後すぐ最初のソウギョを釣り、それが日本記録になりました。以後、ソウギョを狙い続け、最大で26.05キロ。6ポンド(3キロ、ナイロン1.5号)テストでは24.4キロという世界記録魚を釣り上げました。若い頃はGTやカジキまで釣った彼も創意工夫が成し得た業です。

 それから元荒川に通い、市川さんの技術を学びながら何匹も釣りましたが、20キロを超える大物にはなかなか巡り合えませんでした。

 元荒川よりも大きいのが釣れそうだと思い利根川へも行きましたが、大物は掛かりませんでした。ネットで調べると、ソウギョは夜釣りがいいとも書いてありましたが、できれば昼間に釣りたかったので夜釣りはしませんでした。

 <30回以上チャレンジ実る> それから7年がたち、30回以上通ってやっと大物がヒットしました。昨年7月下旬、元荒川で3カ所目に移動した場所で、水面にソウギョらしき引き波を発見。そこへパンを餌に流すと、その波がスーッと寄ってきてパクッ。そこから夢の攻防が始まりました。最初はそんなに大きくないと思っていたのですが、なかなか寄ってきません。対岸に岸に沿うように上流へ向かい、それをギリギリの力で圧力をかけました。ソウギョはサケ科魚類のようにハイスピードでダッシュする魚ではありませんから、大きくても落ち着いてファイトできるのですが、魚の姿が見えたら大変です。

 ネットをそろそろ構えようかという市川さんに「この魚でかいよ。もしかして記録超えかも」と言われて少々焦り、一度近くに寄ってきて反転した時にはその魚体を見た市川さんが「とても太ってる、間違いなく20キロ超えだ」と断言。興奮はマックスになりました。

 <40分の大格闘でついに…> ついに来たかという喜びと、ライン切れるなよという葛藤です。ラインはシグロンPE8ポンド(4キロ、0.5号)です。40分のファイトで市川さんが差し出した超巨大ラバーネットに収まりました。

 ついにやった。感無量でした。市川さんの軽トラでビニールシートに包んで検量すると24.1キロ。生涯に釣った淡水魚で一番の大物です。それが埼玉県で釣れたのはいい感じじゃないでしょうか?

 早速、IGFA(国際ゲームフィッシュ協会)に電子申請し、このたび晴れて8ポンドテストで世界記録に公認されました。(東京海洋大学客員教授)

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