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124センチ横綱タチに大金星 底とりルアー巻くだけごっつぁん!

[ 2021年9月2日 07:17 ]

ドラゴン級を釣り上げた井上さん  
Photo By スポニチ

 【釣り日和】東京湾のタチウオが釣れている。ドラゴン級の大型が餌やテンヤ、ルアーで上がり、銀色の魚体に晩夏の日差しを反射する。ルアー専門の深川・吉野屋に乗り込んだ。(笠原 然朗)

 15年ぶり2度目の“ルアタチ”。前回の釣果は、同行した友人のTさんと仲良く1匹ずつだった。その後、ほどなくして彼は勤めていた会社を定年退職し、趣味を生かして音楽バーを川崎で開いた。店名を日本語に訳すと「涙のしずく」。

 泣くに泣けない貧果の思い出がよみがえる富津沖の水深20メートル。選んだのはピンク系のメタルジグ130グラム。「下から1~2メートルに反応が出ているよ」と吉野屋・大森健吾船長のアナウンスで底まで落として、とりあえずワンピッチ・ワンジャークで巻いているとガツン!と来た。

 水深が浅いからほどなくして水中に銀の魚体をひらめかせたのは80センチ級。周りを見回すが釣れたのは私だけ。大相撲に例えるなら初日に横綱と当たって、いきなり金星を拾ったようなものだ。

 「ここの場所ではほとんど釣れない」と大森船長が言うほどの大物が出た。124センチを釣ったのは右舷トモの草加市・井上綱大さん(48=会社員)。「底をとってただ巻くだけ。巻いていて軽くなったら合わせるだけです」という驚異の釣法で、過去に91匹を釣ったことがあるとか。

 見よう見まねで試してみるが辛抱が続かず、再びワンピッチ…に戻すと今度は90センチ級。続いて1匹。1時間ほどで3匹が釣れてしまった。

 「“復帰戦”でうれし涙の竿頭」…勝手につけた見出しが頭に浮かぶ。

 船は大きく走水沖の70メートルダチに転進。大きな船団ができていた。

 隣席で釣っていた板橋区の佐藤安成さん(42=会社員)がF6(指幅6本)級、125センチの大型を上げた。

 “ルアタチ”は4回目とか。「トラウトやシーバスの経験はあります。タチウオはゲーム性があって楽しいですね」と話していた。

 次に狙うのは大物だ。欲まみれのジグを海底へと送り込み、苦し紛れのルアーローテーションを繰り返すが、ガツンもコツンもない。

 金星込みの3連勝のあと12連敗で猛暑の“ルアタチ場所”が終わった(涙)。

 ◯…この日も29匹で竿頭となった井上さんを「師匠」と呼んでいたのが新宿区の佐藤知英子さん(46)。歌舞伎町で居酒屋「ゆいまーる」を経営。タチウオ釣りにハマり、釣果は刺し身や塩焼きはもちろん、薫製、つみれ、卵のからすみなどに調理して提供した。現在、店はコロナ禍による緊急事態宣言で休業中。「いまは釣りの修業をしています」と明るく笑っていた。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、深川・吉野屋=(電)03(3644)3562。出船は午前7時。乗合料金は男性1万円。女性・高校生7500円、中学生以下5000円。

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