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マアジ船 乗れば仕事にお役立ち!?

[ 2020年10月18日 14:58 ]

爆釣タイムに一荷を連発していた松林さん                               
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 【釣り日和】東京湾のマアジが釣れている。秋の平日、浦安・吉久のマアジ船に乗り込んだ。釣れるのは15~25センチが中心。釣りをしながら考えた「ビジネスのヒント」。仕事の実践でも使えるかも。(笠原然朗)

 読書の秋である。

 だがビジネス書は読まない。特にハウツー本は。書いてあることを忠実に再現しようと思ってもビジネスの「状況」はもっと複雑だし、「ファクターX=運」が事の成否を左右することも多い。机上の空論に終始する本を読むぐらいなら釣りをしよう。これが案外、ビジネスのヒントに富んでいるんだなあ。

 吉久・峯岸英人船長が船を向けたのは川崎沖の25メートルダチ。「タナは2メートル。協力してコマセを振ってくださいね」。全員で協力して魚を寄せるのがこの釣りの真骨頂。まいたコマセ効果はやがて自分の糧として表れる。

 良型を釣り上げたのは江戸川区の樋口克仁さん(75)。9月30日に8年間勤めた駐車場管理人の職を退いた。「第二の定年です。退屈でしようがないから釣りを…」。家ではさばいて奥さんに食べさせる。「釣ったアジ以外は食べられないと言うんだよ」。待っている人のために気合が入る。

 下ろせば釣れるの入れ食いタイムも終了。横浜沖へと大きく転進する。私もマアジのほかにイシモチや良型のカサゴを加えた。

 だが朝イチの爆釣は影をひそめての拾い釣り。だが納竿1時間前に本牧沖の10~12メートルダチで再び入れ食い。

 「1匹掛かったら待って追い食いを狙ってくださいね」と峯岸船長。最初の当たりをとらえ次の「竿先グン!」まで待って上げる。

 西東京市の松林良二さん(63)に一荷。「年金暮らしですが、ストレス解消とガス抜きで釣りに来ました」。普段はトレーニングをしたりネットでニュースを検索したり、ラジオを聴いたりして過ごしているのだとか。釣果は50匹ちょうど。

 この爆釣タイムに集中して手返し勝負でいかに数を伸ばすかが釣果を左右する。「一生」ではなく「懸命」は「一時」で良い。

 秋だからこそ書を捨て釣りに出よう。ためになってお土産もある。

 ◯…アジ釣り専門と話していたのは市川市の渡辺徹さん(69=アルバイト)。吉久の常連で順調に数を伸ばしている。「釣れた魚は干物にして保存します」と一荷。

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