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米焼酎、旬の野菜と舌鼓 キスしゃぶ秋まつり 見た目は細身、当たりはブルブルッと小気味いい

[ 2020年9月15日 15:29 ]

23センチ。そこそこの型も出た  
Photo By スポニチ

 【一釣一品食べま専科】シロギスをしゃぶしゃぶで食す。こんな時季に?いや、汗をかきながら極冷えの酒をグイッ。これがたまらん。鍋の神髄を求めて葛西橋・第二泉水へ。(スポニチAPC・町田 孟)

 パールピンクの輝きを放つ海の淑女、シロギス。見た目は細身で可憐(かれん)だ。その白い肌の奥には上品で一瞬のときめきを感じる甘みを隠し持っている。

 そのくせ当たりはブルブルっと小気味いいんだ。おとなしそうでいながら行動はテキパキ。決して男勝りってんじゃない。メリハリの利いたって言うのだろうね。嫌いじゃないタイプだ。実生活では出会ったことはないなあ、この手は。何、向こうが振り向いてくれなかっただけだって?。かもしれん。

 【釣戦】当初、ある目的があってね、盤洲に行きたかったんだ。ところが黒沢正敏船長=写真=は「前日あまり良くなかった。嫌な予感がするから行きません。木更津にします。水深が13~15メートルなので船下でも食うしビギナーも釣りやすい」。肩透かしを食わされちまった。(ホントのところ、この判断が大正解だった)

 そんな僕を尻目に40分ほど船を走らせた。多少の波っ気はあったが潮は利いていた。「はい、やってください」。マイク越しの声を合図にいそいそと仕掛けを放り込む。幾つになってもこの瞬間がたまらないや。いきなり中型が身をくねらせて手元に。仕掛けは胴突2本バリで攻めた。

 さほど投げなくても反応は順調。ただ、こまめに投げている人はそれ以上、入れ食いモードを楽しんでいたなあ。型は平均して小さめだったものの20センチ前後も適当に交じってくれた。船中最大は25センチ。手を休めることは、ほとんどなかったからね。

 【クッキング】このキスしゃぶは友人のレシピを拝借。料理そのものは単純。でもね、準備には意外と手間がかかるのよ。まず薄塩をして1日置くんだ。キッチンペーパーなどをかぶせた上からでもいい。水っ気が程良く抜けて、うまみが増す。さて本番。三枚に下ろし小骨を処理するんだけれど、なんせ細い。老眼にはこたえる。食い意地だけで15匹やっつけたがね。

 アラは捨てないでよ。塩を振って15分ほど待つ。この間に鍋に水を張って弱火にかける。頃合いを見てアラに熱湯をかけて冷水へ。汚れを落として鍋に入れアクを取りながら30分ほどコトコト。澄んだ出汁(だし)スープが出来上がる。コンブなんか入れなくても十分だ。決して強火にしないで。雑味が出るから。

 三陸の肉厚わかめ、ネギ、水菜などをそろえれば食卓は秋まつり。

 ビールもいいけれどお薦めは宮崎の米焼酎「野兎の走り」。アルコール度数は45度。口に含んでほんの少したつと、ふわっと独特の香りが立つ。ボトルごと冷凍庫でギンギンに冷やした上にロックで。イケるよ。

 家人のハシがひょいひょい伸びる。「あらっ、プリッとして甘みも口に残る。キスだ~い好き」。おい、おい、おい。

 ○…竿頭は121匹。石橋喜一さん(67=江東区)。当初はアジ狙いだった。しかし、前日「あまり良くないと聞いたので、年に2回くらいしか乗らないキスに変えた」。直前の方針変更が吉と出た。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、葛西橋・第二泉水=(電)03(3645)2058。出船は午前7時。乗合料金9000円(餌、氷付き)。女性は2割引き、中学生以下は半額。

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