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テンカラ天然イワナ涼 “渓流入門”にお勧めシンプル釣法 栃木・男鹿川

[ 2020年8月25日 07:09 ]

田辺氏は「VARAS4X」を使って尺イワナを釣り上げた
Photo By スポニチ

 栃木県日光市の男鹿川は日光宇都宮道路の今市ICから国道121号で約1時間とアクセス良好な渓流魚の宝庫。今回は源流に近い三依地区のイワナ・ヤマメ釣りとリピーター続出のつちや食堂の「山菜入り辛子味噌」を紹介する。(吉田 俊彦)

 おじか・きぬ漁協管轄の男鹿川は大型ニジマスや大ヤマメが狙える川治地区のC&Rエリアが有名だが、五十里湖上流部の三依地区には美しい天然繁殖イワナの棲息する数多くの支流がある。

 筆者は日光市三依公民館の依頼で鹿毛の毛バリ作りのフライフィッシング講師として公民館を訪れた。害獣駆除されたニホンジカの有効活用として鹿毛の毛バリの作り方を日光市の方々を対象に講習。翌日その講習会で作製した毛バリを使用して「三依地域おこし協力隊」のテンカラ師、田辺宜久(たなべ・のりひさ)さんが天然イワナを狙うというので同行した。

 田辺さんは地域おこし協力隊として昨年、埼玉・浦和に家族を残し単身移住したレベルライン・テンカラの達人。“テンカラ大王”こと愛知工大教授の石垣尚男さんの関東の一番弟子で師範代。その実力は素晴らしくテンポよく毛バリを流れに打ち込むと次々とヤマメが飛び出した。狙いのイワナではないが22センチほどの男鹿川のヤマメは幅広で驚くほど引きが良い。

 しばらく遡行(そこう)すると田辺さんの竿が大きく引き込まれている。どうやら良型イワナのようだ。瀬尻に寄せられたイワナはちょうど30センチ。“石垣流テンカラ”の面目躍如。ヒレの大きな見事な天然尺イワナだった。

 テンカラ釣りの良いところはとてもシンプルな釣りであること。毛バリとハリスのみを水面に付けて流す点でテンカラ釣りは水面を荒らさない優れた釣法だと思う。リールを使用しないので釣り人と魚の距離が近く、渓流魚の反応や着き場も分かりやすいので渓流釣入門にお勧めできる釣法だ。

 筆者はフライマンだが、テンカラを体験しその有効性を理解すると渓流の攻め方がワンランクアップすると思う。三依は福島県境近くまで好釣り場が続く渓流魚の宝庫だと改めて思った。皆さんも男鹿川でテンカラ釣りを体験してみてはいかがだろうか。

 ◯…「つちや食堂」=(電)0288(79)0200=は国道沿いにある中三依のお食事どころ。野岩鉄道会津鬼怒川線の中三依温泉駅から至近。そば、うどんそしてラーメンもすべて手打ちで食べごたえがある。薬味の「山菜入り辛子味噌」は自家製で絶品。焼き肉に絡めると最高にうまい。口コミで評判が広がりお土産に買い求めるリピーターのお客さんも多数。立ち寄る価値が十分にある有名店だ。

 ▼問い合わせ 三依公民館=(電)0288(79)0212=内、地域おこし協力隊・田辺宜久さんへ。スポニチ「釣りの旅」を読んだと言えば情報を提供してくれる。

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