×

“アユ”み寄り待つべし!闘争心乏しい大きな群れは掛かるまで我慢

[ 2019年9月14日 07:15 ]

養殖アユをオトリにした方が釣りやすいという群れアユ
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】多摩川のアユの友釣りを紹介したい、とテレビ東京から依頼がありました。

 私はアユ釣りのベテランではないので、地元の清水剛さんにご教授をお願いし、羽村の堰下(せきした)で釣りをしました。このエリアは秋川漁協の管轄です。練習を兼ねてテレビクルーとの待ち合わせ時間よりも2時間早く現場に到着。オトリアユを購入し、まず橋の上から見てみるとアユがたくさん群れていました。そしてウグイのようにキラキラと川底のコケをはんでいる様子が丸見えです。

 群れは100匹以上の単位で移動しながら食べています。
 清水さんの話では、こんなにいる群れアユは攻撃性と闘争心に乏しいので、オトリアユを入れても体当たりしてこないそうです。

 だから通常の友釣りのように竿にガーンと来るダイナミックな釣りではないことも教えてくれました。

 オトリアユを群れの中に入れて一緒に泳がせ、じゃれてくるというか、オトリに絡んできたときに掛けバリで引っかかってしまうというような釣り方だと。だからたくさんいるのに掛からない、それを我慢してじっと待たなければいけないそうです。そう言いながら清水さんは釣りを開始してすぐにヒットしました。
 今日は群れアユ釣りの練習と、カメラの前で2人のどちらかが釣れればそれでいいので気が楽でした。

 私も釣り開始。私の竿はがまかつ「ダンシングスペシャル8・5メートル。パーフェクト仕掛け(フロロライン0、2号)、ハリはナノスムースコートの頂(いただき)6・5号を使いました。

 「1匹掛かると逃げていなくなるよ。でも待っていればまた餌場に戻ってくるから」と我慢。と、突然オトリアユが泳ぎ始めました。

 「群れに入ったな。そのままついて移動して」と清水さん。群れが来たのでオトリアユは仲間が来たとその群れにくっついて一緒に泳ぎ始めたのです。時折止まってまた泳ぎだす、そんな感じでした。私は川の中を歩いてオトリアユを追いかけるように移動しました。

 そしてブルルン、と当たりが来た後、グーンとロッドが重くなりました。待望のヒットです。ロッドを立てようとしても立ちませんでした、非常に引きが強く、それは長良川の「郡上アユ」と変わらないとも感じました。「大きいからゆっくりやって」橋の上からギャラリーのおじさんが声援を送ってくれました。清水さんの友人らしいです。

 抜き上げる時、水面を叩きましたが無事キャッチ。多摩川アユをゲットです。

 この魚は天然魚ではなく、放流したアユだそうですが、多摩川の羽村まで来ると水が澄んでいて、アユもきれいです。
 練習の成果があってか取材クルーが来た時もカメラの前で幸運にも掛かってくれました。これでホッとしました。

 9月のアユを多摩川で釣ったのは初めてでしたが、地元にこんな新鮮で楽しい釣りがあったのかと再認識しました。清水さんに感謝です。

 多摩川のアユは9月15日からコロガシ釣りが一部のエリアで解禁し、10月31日まで楽しめます。(東京海洋大学客員教授)

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る