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今なら笑える 投網で大目玉 1人より仲間と一緒に竿出そう

[ 2019年6月23日 06:46 ]

【幸せになりたかったら釣りをおぼえなさい】
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 【幸せになりたかったら釣りをおぼえなさい】「マジンガーZ」や伝説の釣りマンガ「釣りバカ大将」の作者、桜多吾作が自らの釣り人生を振り返る。釣りは時として人と人とをつなぐ場にもなる。(イラスト&文 桜多 吾作)

 吾作が漫画家デビューをした若いころ住んでいた所は、大家さんが1階に住み、2、3階が賃貸の部屋。吾作は3階に2部屋を借りて住居と仕事場にしていた。
 賃貸の住人は皆、仲が良くて近所の遊園地「としまえん」(練馬区)で花火が上がる土曜日は早めに食事を終え、ビールやジュースを用意して、みんな屋上に集まり、楽しんだものだ。
 陽気も良くなってきたころ「マス釣りにでも行こうか」と提案したら「いいね、いいね」「うちも…」と参加者が増えた。家族連れもいて大型マイクロバスを借りて出掛けた。
 だが釣りの経験者は吾作とアシスタントの2人だけ。そのころ加入していた磯釣りクラブの親しい仲間にも助っ人をお願いして講師役は4人。神奈川県内のマス釣り場で竿を出した。
 仕掛けは簡単だし、マスは釣れるように餌を与えられていないので釣り開始1時間ぐらいはどんなに気のないそぶりでも釣れてしまう。周りをざっと見て釣れている魚を集め、調理して昼飯用に焼き始める。
 車を運転しない人にはビールも出て、昼飯用の焼きそばも出来上がってきた。野趣に富んだ屋外パーティーの始まりだ。
 2時間ぐらいは忙しく動いていた手伝いの人たちもひと段落。川にはまだたくさんの魚が残っている。と誰が持ってきたのか投網(とあみ)が出てきた。あっという間に投入。でも安物だったためうまく広がらず、上げてもマスはほとんど入っていない。
 何度かやっているうちに管理事務所に知られることになり大目玉をくった。
 管理釣り場で投網をつかっちゃまずいよな。この時は平謝りの吾作だった。
 だがこの何年か後、本格的な投網の技を名人の竹内賢典氏から教えてもらった。

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