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カレイなる船長復帰 東日本大震災から8年…失意、悲しみ乗り越え

[ 2019年4月19日 06:38 ]

カレイとのかけひきを楽しんでいた高橋さん
Photo By スポニチ

 【菅野順也の釣り巡礼】東日本大震災から8年。津波の被害が大きかった宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区にある閖上港を母港とする永勝丸に遠藤栄喜船長が戻ってきた。狙うのは盛期を迎えているカレイだ。(スポニチAPC 菅野 順也)

 閖上地区を襲った大津波は、遠藤船長の母親、妻、息子の命を奪った。失意と悲しみの中、8年間、船を降りた。だが海や釣りへの思いは断ち難く、このほど船長復帰を果たした。
 午前5時半、閖上港を出船。水深36メートルのポイントから釣りを開始した。青イソメを餌に小型片天秤(てんびん)の仕掛けを投入。海底を小突くとすぐに当たりが伝わった。
 遠藤船長と高校時代の同級生という、名取市・品川庄市さん(55=会社員)が大きく竿を曲げた。
 「また海に戻ってきてくれたのはうれしいね。家からこんなに近い所にカレイの絶好ポイントがあるのは最高だね」と良型マガレイのダブルヒット。
 カレイ釣り歴は35年という、名取市・高橋壮治さん(72=建築業)は「餌を食わせるタイミングを魚と合わせるのが面白いね。塩焼きと煮付けがうまいよ」と、こちらも肉厚マガレイのダブル。
 釣れるカレイは、マガレイをメインにマコガレイ、イシガレイなど。私には45センチのマコと52センチのイシガレイがヒット。大型を中心によく釣れて、トップの釣果は74匹。上々の結果に満足げな遠藤船長は「今まで弟に船を任せていました。8年ぶりに海に戻れました。良い釣果を目指すことはもちろんですが、今後はお客さんとのコミュニケーションも大事にしたいです」と話した。
 遠藤船長とはかつて、閖上港で開催されたカレイ釣り大会で、優勝を目指して一緒に頑張った思い出が私にはある。  今後も末永く活躍していただきたい。遠藤船長、おかえりなさい。

 ▼当日の使用タックル 竿=がまかつ「鰈幻粋1・65、仕掛け幹糸=ヤマトヨテグス「ファイター砂色」8号、ハリス=同「フロロハリス」4号、道糸=同「PE JIGGING 8 BRAIDED」2号。

 ▼ ▼釣況 東北地区東日本釣宿連合会所属、閖上・永勝丸=(電)090(8255)6083。出船は午前6時。乗合料金8000円(餌付き)。

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