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キャリア50年田中さんがっくり「こんなの生まれて初めて」

[ 2019年3月14日 07:15 ]

作戦会議?田中さん(右)と秋山さん
Photo By スポニチ

 【根ほり葉ほり おじゃま虫ま~す】ホントのおじゃま虫になってしまった。初島周り、ナイトヤリイカの釣果が突然よくなった。これは荒乗り開始だ!宇佐美・清貢丸へ急いだ。が…。 (スポニチAPC町田 孟)

 港への集合は午後4時。時間前、田中克彦さん(74=伊勢原市)の年を感じさせない歯切れのいい声が響いていた。立ち居振る舞いから常連さんだと分かる。

 辺りがうっすらと暗くなったころ河岸払い。田中さんは大ドモに同じ伊勢原市の秋山正夫さん(79)を招き入れ、その横に座った。「彼は飽きっぽいから隣でねじを巻くんだ」。10年来の釣友を気遣う。 

 話しっぷりが実にフランクだ。「顔見知りでなくても、大抵こちらから頭を下げて接触するようにしている」。偉ぶらず、常連風を吹かさず。だからこの指止まれで「声を掛けると仲間が10人くらいはすぐ集まる」。友達づくりの極意と言える。 

 不動産管理が生業。「長男に後を継がせて」悠々の身。年間40~50回は海に出る。「遠征のアカイカ、ブリ、ムツなどの底もの。夏にはマグロ、カツオ」。狙いも幅広い。10年ほど前には「相模湾で40キロのイシナギ」を仕留めている。かれこれキャリア50年になる。25歳のころ「江の島などの堤防や浜でキスを狙っていた」。やがて釣れる場所に連れていてくれる船に心が動いた。サラリーマンも経験。「ゴルフもやったけれど、なじまなかった」。クラブは捨てて竿一筋。 

 モットーは「食べておいしいものを狙う」。本道だ。家族は恭子夫人(73)。長男夫婦に2人、次男夫婦に1人の孫。魚と祝い事が重なれば一族招集となる。 

 「はい、始めてください」。稲本貢一船長の合図。水深は50メートル前後。楽勝の夜になるはずだった。しかし、いくら誘っても乗らない。お触りだけ。「こんなの生まれて初めて」。さしもの田中さんもギブブアップ。秋山さんともども「伊勢原組は討ち死にだ」。苦笑いしつつ納竿するしかなかった。隣で根掘り葉掘り聞いたのが疫病神を呼んだのかも。 後日、海の様子も回復して竿頭に名前があった。きちんとリベンジを果たしたようだ。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、宇佐美・清貢丸=(電)0557(48)9110。午後4時、港集合。料金1万3000円。

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