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伝統の「ウタセマダイ釣り」 初挑戦・中学生が64センチ釣り上げた

[ 2018年5月16日 12:19 ]

64センチの良型マダイを釣り上げた三重県四日市市の下村拓真くん
Photo By スポニチ

 【釣りラブ】ゴールデンウイーク最終日の5月6日、伊勢湾のマダイが見たくなり、三重県石鏡港の釣り船「三幸丸」にお世話になった。前日、こどもの日には伊勢湾の伝統釣法である「ウタセマダイ釣り」に初めて挑んだ中学生が64センチの良型をゲットしており“大人のメンツ”をかけた、おのずと気合が入る釣行となった。(奈良JADE・野田 雅司)

 5月5日に64センチを釣り上げたのは、午前便で三重県四日市市から父親と来ていた、中学3年生の下村拓真くん。ムムっ!なかなかやるな…でも、ベテランの大人が簡単に負けるわけにはいかないんです。

 春から初夏にかけてのウタセマダイ釣りには軟らかめのサオがいいので、がま船シーファングマダイ30号2・7メートルを選択。リールは小型の電動を、道糸はバリバス10×10船2号(PEライン)にフロロカーボン5号を50メートルつないで使用した。

 当日は天候もよく、前日までの風がうそのようで初夏を思わせた。しかし、船が港を離れる正午ごろから雲行きが怪しくなり、突風が吹き始める。約15分でポイントに着いたが、船がうねりで落ち着かず、すぐにサオを出せる状況ではなかった。

 さらに約15分ほど船が落ち着くのを待つ。船長から水深70メートルでオモリは重いものを使用と指示されると、1投目からエサ取り反応が。同行の釣友のサオには約25センチのチャリコ(小さなタイの通称)が。

 当方は2投目に穂先に明確な当たり。上がってきたのは、おいしいゲストのマゴチだった。数投するとアタリが遠のき、船が落ち着かなくなる。アンカーを打ち直し、幾度となく船のポジションを変えたり、深場から浅場にポイントを変えた。

 船長は、客が魚を釣り上げられるようにと一生懸命努力してくれた。夕方の時合いに向け、鯛島岩礁の水深30メートルのポイントに入る。釣れる雰囲気プンプンで、友人に45センチのチヌが掛かった。

 ここぞとばかりに集中力を高め、軽いオモリに替えて、大型マダイが潜むであろうポイントに仕掛けを流し込む。アタリがあり、すかさず合わせを入れる。サオの柔軟性で船のうねりをいなし、上がってきた!…のは残念ながら小型。その後も数枚を釣りあげるが、大型が仕留められない。焦る気持ちを落ち着かせ、エサを付け替え、再度同じポイントに仕掛けを入れた。

 船に明かりがともり、残り時間が少なくなってくる。その時、反応が!最終チャンスを逃さぬよう、慎重を期して上がってきたのは40センチのマダイだった。

 この日は6人の乗り合いで、残念ながら誰も大型マダイの顔を拝めなかった。それでも友人と2人でマダイ25〜40センチ10匹とマゴチ、アジ、チヌにカサゴ数匹などゲストは多彩で、土産には十分な釣果だった。

 真夏の高水温時以外は出船するそう。伊勢湾のマダイ釣りはこれからが本番だ。

 問い合わせは三幸丸=三重県鳥羽市石鏡町1669の17、(電)0599(32)5604。これからの季節は、アジ・イサギ釣りが盛期を迎え、40センチオーバーの鬼アジも期待できそうだ。

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