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記念のヤマメ 視力回復試して“成功”テンカラ

[ 2018年5月15日 07:15 ]

春の渓に立ち込み竿を振る
Photo By スポニチ

 【渓流釣れ釣れ記】厳冬の後の4月は記録的な暖かさで、この月の夏日の日数も記録的となった。つられて、5月の連休に楽しめるはずの花、特にツツジなどは、あっという間に盛りを迎えてしまった。渓流も魚の活性が高まるのも早まるだろうと胸算用での釣行となった。(スポニチAPC 綾部 丹堂)

 福島県鮫川へのテンカラでの釣行は例年5月の半ばすぎと決めていたが、今年の気候を当て込んで4月後半に出掛けた。春先に白内障の手術で取り戻した視力を、テンカラで試したいという思惑が大きく働いたのである。

 当日は天気の予測も好天だったが、懸念されたのは前日の雨。久しぶりに本格的な雨だった。

 狙いは鮫川支流の四時川の下流部である。いわき市・川部公民館の辺りは駐車場所もあり、足場も良く、アユ釣りでにぎわうポイントだ。テンカラでヤマメのいい釣りをした記憶がある。

 柳の下のどじょうのような話になるが、ちょっと思惑外れは、懸念した通りで、前日の雨で流れは相当、増水していた。

 先にこの場所に駐車していた釣り人とおぼしき人に声を掛けてみると、これは漁協の人だった。鵜(う)対策に糸を張りに来ていたのである。鮫川でも鵜対策には苦労しているようで、それなりに努力していることもうかがえた。

 増水で、作業は諦めたということだが、ヤマメ、アユの放流に力を注いでいる河川管理情報を知ることができたのは、釣り人にとってはうれしいことだった。

 さてこの人が作業を回避するほどの増水は、テンカラには不利なのは免れない。

 いずれにしろ、トライしてみることにした。この日は、自分にとっては視力回復の、ちょっとした記念日的気持ちである。

 テンカラのラインは新しいものに変え、毛バリも新しく巻いたものを結んだのだ。

 思い切って、増水の流れに立ち込んでいった2投目に、思いがけずという感じで水面が割れ、竿がしなった。あっさりと、ヤマメが掛かり、水中に魚体がきらめいて走る、申し分のないシチュエーションである。

 このヤマメ、立ち込んだ状態での取り込みに苦労はしたが、忘れられない記念の一匹となった。

 今年の季節の推移はヤマメの活性にも大きく影響していたようだ。

 増水の流れの遡行(そこう)に苦労はしたが、いくつかのヤマメを掛けて、余裕をもって、このポイントでは竿を納めた。

 いい流れのほとりで昼飯にしたいと、次に入渓したのは、四時川の男犬平の上流である。

 ニリンソウの咲く流れのそばで昼食を済ませた後に、再び竿を伸ばした。

 この辺りは、渓谷と呼ぶにふさわしい渓相で、渓歩きを満喫させてくれるが、テンカラでは頭上の樹木に苦労することになる。

 基本的にヤマメの渓だが、時にイワナが出るのが面白い。

 右岸から沢の流れ込むあたりで、イワナを掛けることが多いのだが、この日もここでイワナが狙い通り出た。

 ▼釣況 鮫川漁協=(電)0246(65)6758。

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