高畑充希 歌の楽しさ知った原点、吉柳咲良 30センチカットに込めた覚悟

[ 2021年7月18日 05:30 ]

スポニチ本紙のインタビューに答える高畑充希
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 【ミュージカル「ピーターパン」40周年 主役は語る(下)】今年上演40周年を迎えるミュージカル「ピーターパン」。これまでも、そしてこれからも愛され続ける秘けつを8代目ピーターパンの高畑充希(29)と現役で10代目の吉柳咲良(17)が語った。(小田切 葉月)

 高畑にとって“永遠の少年”ピーターパンは「悪い男」だという。子供たちを夢の国ネバーランドに連れて行き、間一髪でフック船長から守ってくれるヒーローであり、最後には別れを告げる。「上手に女の子を救って守って傷つける。男性的な魅力があって、女の子にキャーキャー言われるのが楽しかった。(自らの初演の)2007年からの6年間が、女性モテの絶頂でしたね」と笑った。

 15歳で初めてピーターパンを演じ「スキルなんてなくて勢いと気合だけ。基本を叩き込まれました」と振り返る。元々歌うことに興味はなかったが「この作品で基礎を学んだことで、今は歌うことが楽しいです」と話す。

 ピーターパンを経て、数々の舞台やドラマに出演。高畑の演技の土台になっている作品だ。「ピーターパンはつかみどころがないのに、なぜか憎めない。悪い男でもあるし、赤ちゃんみたいな存在でもありますね」。何度見ても捉えきれない魅力が、観客の心を引きつけ続けている。 

 決意の地毛30センチカットだ。2017年、最年少タイの13歳から飛び続ける吉柳。本番では茶髪のウイッグを着用するため地毛を切る必要はないが「心も体もピーターパンになれるように、思い切りました」と明かした。

 吉柳にとって初の仕事が「ピーターパン」だった。「私の基盤ともいえる大切な作品」と思いを語る。だからこそ、上演40周年の今年に対する気持ちは強い。昨年コロナ禍の影響で全公演が中止になった悔しさをバネに、技術面にも磨きをかけた。高音キーを取り入れたボイスレッスンや、コンテンポラリーダンスで柔軟性を強化。「特に今年のダンスシーンは今まで以上に迫力がある。期待して待っていてほしい」と自信たっぷりに答えた。

 これまでは「格好良く見られたい」と思いながら演じていたという。「今年の目標は等身大。自分自身がピーターパンそのものになって、みんなをネバーランドに連れて行きたい」。これまでと、ひと味違うピーターパンが楽しめそうだ。

 <公演情報>7月22日~8月1日、東京・めぐろパーシモンホール。8月7、8日に神奈川・相模女子大グリーンホールで上演予定。

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